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公開日:2015.07.11/更新日:2015.07.11

建材等から室内への汚染物質の放散

ホルムアルデヒドは接触性のアレルギーのみならず、呼吸器系へのアレルギー性も有しており、住環境への規制も行われています。
前回は、シックハウス症候群につながる室内への空気環境汚染及びその測定方法について書かせていただき、その原因となる、建材から放出する汚染物質のお話をさせていただきました。このことから建築基準法1),2)では建材について等級を定め、その等級に従って部材の使用に制限をかけています。今回は、これらの部材からの汚染物質の放散について考えてみたいと思います。

規格について

 ホルムアルデヒド放散量の測定方法は、合板等については日本農林規格(JAS)3)、繊維板や塗料などについては日本工業規格(JIS)4)でそれぞれ規格化されています。
ホルムアルデヒドの放散量による等級については、ホルムアルデヒドの放散量の多いもの(無印)から放散量の非常に少ないもの(F☆☆☆☆)まで、種類に応じて幾段階かで規格化されています。

測定方法

 測定方法は、大きく分けてチャンバー法とデシケーター法が定められています。
デシケータ-法は、アクリルまたはガラス製のデシケータ-と呼ばれる容器に一定量の水と試験体を入れ、24時間放置し、水に溶け込んだホルムアルデヒドの濃度を測定します。この時、試験体の表面積が一定になるように試験を行い、測定結果は、溶け込ませた水に対するホルムアルデヒド濃度(mg/L)で表します。
小形チャンバー法は、小形チャンバーと呼ばれる調理器具の寸銅に似た金属容器に試験体を入れ、清浄な空気を常時供給させた状態で、小形チャンバー内を温度28℃湿度50%に保ち、一定時間経過後の空気を採取して測定します。デシケータ-法では測定対象はホルムアルデヒドのみとなりますが、小形チャンバー法ではホルムアルデヒドとともにVOCの測定も可能で、測定結果は単位面積当たりの放散速度(μg/(m2・h))で表されます。


試験風景
1)デシケータ-法
2)小形チャンバー法

まとめ

 今回は、建材より発生するホルムアルデヒド等の化学物質及びその測定方法について考えてまいりました。しかしながら、今回説明させていただいた方法では、家具等の組み上げた状態で放出されるホルムアルデヒド量については、理論上は概算できますが、実際の商品としての放出量について室内濃度指針値との比較が難しいという問題点があります。そこで、ボーケンでは、家具を清浄室内に置いた状態で前回ご説明させていただいたホルムアルデヒド等の室内濃度測定方法に準拠した測定を行うことで、厚生労働省の室内濃度指針値との比較可能な方法を提供させていただいております。実際の家庭では多種多様な家具類とともに搬入されているのですが、製造段階における参考値にはなるかと思います。
 ホルムアルデヒドは、接触性の皮膚炎だけでなく呼吸器系にも有害性を持つことから、空気中のホルムアルデヒドについて、また、同様にVOCと呼ばれる揮発性のある有機化合物についても指針が決められていることが理解していただけたと思います。


参考文献>
1)建築基準法 平成20年5月 改正
2)建築基準法施行令 平成20年10月 改正
3)JAS日本農林規格 木材編 (社)日本農林規格協会発行 平成15年6月
4)JISハンドブック 74シックハウス (財)日本規格協会 2004年4月発行
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