ボーケンは、衣料品、雑貨、日用品に至るまで、幅広い分野の
品質評価試験を実施するグローバル総合試験機関です。

学びたい・知りたい

TOP > 学びたい・知りたい > 繊維の知識 > 再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル)について

公開日:2015.07.11/更新日:2017.08.18

再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル)について

再生繊維について

木材中のセルロースを取り出し、これを化学処理により一度溶解し、再び元のセルロースに作り直して繊維にしたものを再生繊維といいます。

なぜ「再生繊維」と呼ぶの?

原料は天然に存在する高分子が用いられ、工程的には再生しているため、再生繊維と呼ばれます。

レーヨンについて

レーヨン(ビスコースレーヨン)は、木材パルプや竹などのセルロースをアルカリ(苛性ソーダ)及び二硫化炭素と反応させてアルカリ水溶液中に溶解し、これを口金から硫酸ナトリウム等に押しだし、引き延ばして繊維素(セルロース)を凝固・再生(湿式紡糸法と呼ぶ)して製造された繊維です。 製造された当初の繊維は光沢があることからray=「光」の語の入ったrayonと名付けられました。

特徴

長所
1.独特の強い光沢があり、染色しやすく発色性に優れている。
2.ドレープ性に優れている。
3.吸湿性があり制電性がよく、まとわりつかない。
4.耐熱性があり、高温でも軟化、溶融しない。

短所
1.吸湿すると極端に強度が小さくなる。
2.洗濯時には縮みやすい。
3.寸法安定性が低い。濡れると型崩れをして、しわになりやすい。

レーヨンの鑑別時の特徴

繊 維 名

レーヨン

英字名

Viscose rayon

顕微鏡観察

側面の形状

繊維軸方向に数本の線条が走っている。

断面の形状

輪郭は不規則な花弁状

よう素よう化カリウムによる着色

黒青緑色

BOKENSTAIN IIによる着色

暗い灰みの青

燃焼試験

燃焼状態

紙が燃えるようにゆっくり燃える。

紙の燃える臭い。

非常に小さく柔らかい灰色

主な試薬による溶解性

60%硫酸、酸化銅アンモニア溶液に溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

主な脱色方法

ハイドロサルファイトナトリウム溶液(煮沸)

次亜塩素酸ナトリウム溶液(常温)

レーヨンの顕微鏡写真について
側面断面
側面断面
トップへ

ポリノジックについて

ポリノジックはレーヨンの欠点を改良するため高重合度、高結晶度にして、紡出後の再生を遅くさせて製造させています。

特徴

1.強度が強く、湿状態での強度低下が少ない。
2.レーヨンと比べてハリ・コシがある。
3.細デニールができる。
4.織物の伸び縮みがほとんどなく寸法安定性に優れている。

ポリノジックの鑑別方法

繊  維  名

ポリノジック

英字名

Polynosic

顕微鏡観察

側面の形状

表面にあれがある。

断面の形状

円形

よう素よう化カリウムによる着色

黒青緑色

BOKENSTAIN IIによる着色

灰色

燃焼試験

燃焼状態

紙が燃えるようにゆっくり燃える。

紙が燃える臭い。

非常に小さく柔らかい灰色

主な試薬による溶解性

60%硫酸、酸化銅アンモニア溶液に溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

主な脱色方法

ハイドロサルファイトナトリウム溶液(煮沸) 

次亜塩素酸ナトリウム溶液(常温)

ポリノジックの顕微鏡写真について
ポリノジックの電子顕微鏡写真ポリノジックの電子顕微鏡写真
側面断面
トップへ

キュプラについて

キュプラとは、実綿から綿花を取り去った後に残る短い繊維(コットンリンター)を原料パルプとして使用し、銅アンモニア溶液に溶解させ、これを紡糸液として紡糸し、セルロースを凝固・再生して製造された繊維を指しています。原料パルプの繊維素の質が良く繊維素の配列が揃っているため、ビスコースレーヨンと比較して糸物性、摩耗強度に優れた製品が得られます。商標名はベンベルグとして知られています。

特徴

光沢、染色のしやすさ、発色性、吸湿性、静電気の発生が少ないなどの特徴はビスコースレーヨンと同様です。

キュプラの鑑別時の特徴

繊  維  名

キュプラ

英字名

Cupro

顕微鏡観察

側面の形状

表面は滑らかである。

断面の形状

円形

よう素よう化カリウムによる着色

黒青緑色

BOKENSTAIN IIによる着色

こい青

燃焼試験

燃焼状態

紙が燃えるようにゆっくり燃える。

紙が燃える臭い。

非常に小さく柔らかい灰色

主な試薬による溶解性

60%硫酸、酸化銅アンモニア溶液に溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

主な脱色方法

ハイドロサルファイトナトリウム溶液(煮沸)

次亜塩素酸ナトリウム溶液(常温)

キュプラの顕微鏡写真について
側面
トップへ

リヨセルについて

リヨセルとは、パルプを特殊な溶剤で溶解して製造(溶剤紡糸法と呼ぶ)する再生繊維です。 同じ木材パルプから作るレーヨンと比べて引張り強さが大きく、湿潤強度の低下は少ない。 バイオ加工により特殊な風合いを出しています。

特徴

1.繊維の断面が円形であることから強度が高く、湿潤時の収縮や強度の低下が少ない。
2.ビスコース法によるものより風合い良く弾力もあり、ファッション分野で高い評価を受けている。
3.溶剤を回収して再利用するため、廃液が環境中に放出されず環境にも優しい。

リヨセルの鑑別時の特徴

繊  維  名

再生繊維(リヨセル)

英字名

Re-generated fibre (Lyocell)

顕微鏡観察

側面の形状

表面は滑らかである。

断面の形状

円形

よう素よう化カリウムによる着色

黒青緑色

BOKENSTAIN Iによる着色

青色

燃焼試験

燃焼状態

紙が燃えるようにゆっくり燃える。

紙が燃える臭い。

非常に小さく柔らかい灰色

主な試薬による溶解性

70%硫酸、35%塩酸に溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

主な脱色方法

ハイドロサルファイトナトリウム溶液(煮沸)

リヨセルの顕微鏡写真について
側面
トップへ

関連記事

  • ● 半合成繊維 (アセテート・トリアセテート、プロミックス)について
    (記事一部抜粋)
     半合成繊維について 半合成繊維とは、セルロースやタンパク質の天然の高分子を主体として化学的に処理をして、繊維としたものをいいます。代表的な繊維として、木材パルプを主な原料としたアセテート、トリアセテー...
  • ● ナイロンについて
    (記事一部抜粋)
      合成繊維の中で最も早くに工業化され、米国では1936年から生産が始まり、我が国では1940年から東洋レーヨン(現 東レ)が研究を始め、テグス、漁網などの少量生産を経て1951年に本格生産を開始した。...
  • ● ポリエステルについて
    (記事一部抜粋)
     「テレフタル酸と2価アルコールとのエステル単位を質量比で85%以上含む長鎖状合成高分子からなる繊維をポリエステル(JIS L 0204-2より抜粋)」といいます。 ポリエステルは、洗える、吸汗速乾、防臭、抗菌等に圧倒的に利用されています。