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公開日:2015.07.11/更新日:2017.08.18

毛、絹について

毛について
毛は羊毛とその他獣毛(カシミヤ、アンゴラ、キャメル等)に分けられる。今回は羊毛に絞って紹介する。

生産国

羊毛の生産量は全繊維生産量の約5%であり、オーストラリアをはじめニュージーランド等が主な生産国となっている。オーストラリアは飼育羊の約4分の3がメリノ種であり、世界のメリノ羊毛(ファインウール)の約半分を生産している。一方ニュージーランドは雑種羊毛の最大供給国である。

特 徴

羊毛製品はふくらみ及び弾力性があるため保温性に優れているが、これは他の繊維には見られない非常に細かい縮れ(クリンプ)と、さらに繊維の表面にスケールと呼ばれる鱗片状の表皮を持っていることに起因する。クリンプは、隣接する繊維との距離を広げ、糸・織編物の内部に空間を作りふくらみや保温性を持たせる効果を発揮する。非常に変形しやすいが、外力からの解放あるいはさらにスチーム処理することで復元する。
また、スケールの存在により互いの繊維同士が絡み合う現象(フェルト化)することがあげられる。家庭用洗濯機で洗濯すると縮んでしまう欠点になる反面、厚手で繊維が密に詰まった構造の羊毛製品を作ることを可能にしている。スケールを物理的あるいは化学的に処理することでこのような作用はなくなる。
また、アルカリに非常に弱く、繊維の脆化を引き起こす。虫にも侵されやすい。
羊毛の顕微鏡写真について
側面断面
側面断面

用 途

秋冬厚地織物用生地のほか、撥水性を生かしスーツ、コート、テント、登山用品に使用。また、難燃性を生かして作業服、軍服、制服等にも使用される。
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絹について
絹は大きく分けて家蚕系と野蚕系とがあり、それぞれがさらに産地によって区別されている。

生産国

世界の絹生産量は約7万トンであり、中国が半分以上を生産する。そのほかにインド、タイ、日本などが主生産国である。

特 徴

家蚕絹は糸が細く野蚕絹は太い特徴があり、家蚕絹でもタイシルクはもっとも細い。野蚕絹は生産量が限られていることから珍重されている。繭の状態では2種類のたんぱく質(セリシン、フィブロイン)からなるが、精錬によって一方のたんぱく質(セリシン)を除去して銀白色の美しい光沢を持つ絹糸が得られる。
絹織物が擦れ合うときゅっ、きゅっという音がする。これは"絹鳴り"と呼ばれ、セリシンが除去されたあとの絹の断面が三角形になっているために生じる。一方欠点として湿潤強度が弱い、日光により強度低下や黄変する、摩擦に弱い、アルカリ、虫に侵されやすいなど、取り扱いには十分な配慮が必要となる繊維である。
絹の顕微鏡写真について
側面断面
側面断面

用 途

昔は主に和装であったが、最近は高級ブラウス、ドレス、インナーウエアなどに使用されている。
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