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公開日:2015.07.11/更新日:2017.08.18

半合成繊維 (アセテート・トリアセテート、プロミックス)について

半合成繊維について
半合成繊維とは、セルロースやタンパク質の天然の高分子を主体として化学的に処理をして、繊維としたものをいいます。代表的な繊維として、木材パルプを主な原料としたアセテート、トリアセテート。牛乳カゼインを原料としたプロミックスがあります。

アセテートについて

アセテートは「水酸基の74%以上92%未満が酢酸化されている酢酸セルロース」と定義されています。普通アセテートという場合は、ジアセテートを指します。アセテートは加熱された紡糸原液が口金から加熱空気中に吐出され、溶剤(アセトン)を蒸発させて糸とする乾式紡糸法によって作られます。

特徴

1.独特の光沢がある。
2.しなやかで発色性に優れている。
3.反面シワや湿潤時及び強度などの点で扱いが難しい。

アセテートの鑑別時の特徴

繊  維  名

アセテート

英字名

Acetate

顕微鏡観察

側面の形状

繊維軸方向に1~2本の線条が走っている。

断面の形状

クローバの葉状である。

よう素よう化カリウムによる着色

淡黄色

BOKENSTAIN IIによる着色

黄みの橙

燃焼試験

燃焼状態

溶融しながら燃える。

酢酸臭がある。

黒くて硬くもろい。

主な試薬による溶解性

アセトンに溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

アセテートの顕微鏡写真について
側面断面
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トリアセテートについて

トリアセテートとは、水酸基の92%以上の酢酸化されている酢酸セルロースと定義されています。セルロースの構成単位であるぶどう糖の構造中のOH基の3個に結合したものをトリアセテートと呼びます。トリアセテートも乾式紡糸法によって作られますが、溶剤には塩化メチレン/メタノール混合溶剤が用いられています。

トリアセテートの特徴

1.比較的シワになりにくく、湿潤時の強度低下も小さい。
2.ジアセテートと比較して、絹に近い風合いを持ち濃色が出しやすく発色性に優れている。

トリアセテートの繊維鑑別時の特徴

繊  維  名

トリアセテート

英字名

Triacetate

顕微鏡観察

側面の形状

繊維軸方向に1~2本の線条が走っている。

断面の形状

クローバーの葉状である。

よう素よう化カリウムによる着色

淡黄色

BOKENSTAIN IIによる着色

燃焼試験

燃焼状態

溶融しながら燃える。

酢酸臭がする。

黒くて硬くもろい。

主な試薬による溶解性

ジクロロメタンに溶解する。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

トリアセテートの顕微鏡写真について
側面断面
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プロミックスについて

プロミックスとは、牛乳蛋白であるカゼインを溶解して、アクリロニトリルと重合させて作った繊維であり、たんぱく質を質量比で30%以上60%未満含むと定義されています。

プロミックスの繊維鑑別時の特徴

繊 維 名

プロミックス

英字名

Promix

顕微鏡観察

側面の形状

繊維軸方向に細い線条が走っている。

断面の形状

周辺に不規則な凹凸のあるだ円形又はまゆ形

よう素よう化カリウムによる着色

うすい茶色

BOKENSTAIN IIによる着色

くすんだ茶色

燃焼試験

燃焼状態

収縮しながら溶融して燃える。

毛髪の燃える臭い

黒色のややもろい灰

主な試薬による溶解性

溶解する試薬はない。

繊維中の塩素の有無

繊維中の窒素の有無

プロミックスの光学顕微鏡写真について
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