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公開日:2012.05.22/更新日:2016.11. 1

【各種機能性】吸水速乾性

目的

吸水速乾性(または吸汗速乾性)とは、スポーツ等でかいた汗を素早く吸収し、素早く乾燥させる性能をいいます。吸水速乾素材とは、肌側は汗を吸収する機能を、外気側は汗を放散する機能を受け持つ布です。汗を素早く吸収・乾燥させる事が着用時の快適性につながります。

吸汗速乾素材の特徴とは?

合成繊維などで極細繊維化、異形断面化、中空多孔化することによって、毛細管現象の作用で吸水性を向上させた素材で、速乾性を兼ね備えていることを特徴とします。これらの素材はスポーツウェアを中心に、下着、作業着、ドレスシャツ、ストッキング、寝装品などにも広く使われています。

試験方法

吸水速乾性試験には①蒸散性(Ⅱ)試験と②MMTを用いた吸水速乾性試験があり、速乾性のみを評価する試験としては③拡散性残留水分率試験があります。

①-1蒸散性(Ⅱ)試験(ボーケン規格BQE A 028)

吸水性と速乾性の両方を複合的に評価する試験です。
直径約9cmの試験片とシャーレの質量(W)を測定します。シャーレに水0.1mlを滴下し、その上に試験片を載せ、質量(W0)を測定します。標準状態(20℃,65%RH)下に放置して所定時間ごとの質量(Wt)を測定し、時間ごとの蒸散率(%)を算出します。

蒸散率(%) = {(W0Wt)(W0W)}×100

【評価の目安】

試験開始後20分の蒸散率
織物で50%以上、ニットで40%以上(スポーツ用途)
織物で40%以上、ニットで30%以上(一般用途)

【蒸散性(Ⅱ)試験の模式図】

quick_dry.1.jpg


【自動測定装置】

quick_dry.2.jpg

【試験結果例】

quick_dry.3.jpg

①-2蒸散性(Ⅱ)試験(ISO 17617 Method B)

ISO法の試験方法は、ボーケン法と同じですが、計算方法が異なります。

【計算方法】

滴下直後から蒸散率が90%に至るまでの直近の時間に対する蒸散率の回帰直線を求めます。

y=ax+b   [y:蒸散率(%)、a:傾き、x:時間、b:切片]

回帰直線で得られた数値から、Drying rate(乾燥速度)及びDrying time(蒸散率100%になる時間)を算出します。

Drying rate(%/min)=a

Drying time(100%)=(100-b)/a

②MMT(Moisture Management Tester)を用いた吸水速乾性試験

AATCC TM 195またはGB/T21655.2に基づいて試験を実施します。
滴下された水分が生地表面を拡散していく様子をリアルタイムで電気的に検出することによって、吸水性と速乾性を同時に測定することができる試験です。
装置の上下に設置された電極に試験片を挟み込み、浸水面(肌側)に試験水を滴下します。浸水面で水分の拡散が始まると同時に浸透面(外側)への浸透、拡散も進みます。この水分の移動状況(拡散・浸透)を電気的にモニタリングし、吸水速乾性を評価します。
【評価の目安】
生地の吸水速乾性技術基準(GB/T21655.2 - 2009より引用)

性能指標

項目

基準

吸水性

湿潤時間(浸水面、浸透面)

3

吸水速度(浸水面、浸透面)

3

速乾性

最大湿潤半径(浸透面)

3

拡散速度(浸透面)

3

一方向伝達指数

3

汗発散性

一方向伝達指数

3

総合速乾性

一方向伝達指数

3

総合水分マネジメント指数

2



【MMTの電極】




【試験結果例】

速乾性が良好な場合

quick_dry.5.jpg




速乾性は不良、汗発散性は良好な場合

quick_dry.6.jpg




③拡散性残留水分率試験

生地の速乾性のみを評価する試験です。一般的にJISの吸水性試験の結果と組み合わせて、吸水速乾性の評価を行う場合が多いです。
10cm×10cmの試験片の質量(W)を測定します。試験片に水を0.6ml滴下し、質量(W0)を測定します。標準状態 (20℃,65%RH)下で吊干して所定時間ごとの質量(Wt)を測定し、時間ごとの残留水分率(%)を算出します。

残留水分率(%) = {(WtW)(W0W)}×100

【評価の目安】

残留水分率が10%に至るまでの時間
セルロース系繊維100%の場合、織物で65分以下、ニットで75分以下
合成繊維100%の場合、織物で45分以下、ニットで55分以下
(基準値は各社基準により異なります。)

【拡散性残留水分率試験の模式図】

quick_dry.7.jpg

【自動測定装置】

quick_dry.8.jpg

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