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公開日:2012.05.22/更新日:2016.06.23

【各種機能性】透湿性

目的

生地がどれだけ湿気を通しやすいかを評価するために行う試験です。レインウェア等の製品では、外部からの水を通さない「防水性」と共に、肌からでる湿気を外に逃がす「透湿性」を持たせる事が、着用時の快適性につながります。

試験方法

ボーケンでは、 「JIS L 1099繊維製品の透湿度試験方法」とISO 11092 発汗ホットプレート法に基づいて試験を実施しています。生地がどれだけ湿気を通しやすいかを評価するために行う試験です。

1. JIS L 1099繊維製品の透湿度試験方法

この試験方法にはA法、B法、C法の試験方法があります。

A法は着用状態に近い環境での透湿度測定に適しており、B法は生地の最大透湿度を測定するのに適しています。

①A-1法(塩化カルシウム法)

一般的によく用いられる方法で、この試験は、衣服内が多湿となる着用条件下で、乾燥した環境下での透湿度測定に適しています。
透湿カップに吸湿剤(塩化カルシウム)を入れ、試験片の表側を吸湿剤側に向けて載せ、透湿カップにセットします。これを40℃、90%RHの恒温恒湿装置内に置き、1時間調湿後質量を量ります。再び同装置内に置き、1時間後質量を量ります。試料を通ってカップ内の吸湿剤に吸収された水蒸気の質量を計算し、透湿度(g/m2・h)を算出します。

②A-2法(ウォーター法)

衣服内が多湿となる着用条件下で、通常の外気環境下での透湿度測定に適しています。
透湿カップに水を入れ、試験片の裏側を水側に向けて載せ、透湿カップにセットします。 これを40℃、50%RHの恒温恒湿装置内に置き、1時間後質量を量ります。再び同装置内に置き、1時間後質量を量ります。カップ内の水が蒸発して試料を通って カップの外に出た質量を計算し、透湿度(g/m2・h)を算出します。

③B-1法(酢酸カリウム法)

防水性のある生地の最大透湿度を測定するのに適しています。
試験片の裏面を外側に向けて支持枠にセットします。これを水の入った水槽に浸るように固定し、15分以上放置します。透湿カップに吸湿剤(酢酸カリウム溶液)を入れ質量を量り、これを水槽に固定した試験片支持枠の中に置き、15分後質量を量ります。試料を通ってカップ内の吸湿剤に吸収された水蒸気の質量を計算し、透湿度(g/m2・h)を算出します。

④B-2法(酢酸カリウム法の別法)

防水性のない生地の最大透湿度を測定するのに適しています。
補助フィルムで試験片の裏面を覆い、フィルムを外側に向けて支持枠に装着します。これを水の入った水槽に浸るように固定し、15分以上放置します。透湿カップに吸湿剤(酢酸カリウム溶液)を入れ質量を量り、これを水槽に固定した試験片支持枠の中に置き、15分後質量を量ります。試料を通ってカップ内の吸湿剤に吸収された水蒸気の質量を計算し、透湿度(g/m2・h)を算出します。

⑤C法(発汗ホットプレート法)

繊維製品及び繊維製品に用いられる繊維素材、フィルム、コーティング製品、フォーム材、皮革及びそれらを組み合わせた積層品を試験するのに使用されています。
ISO 11092と同一の試験方法です。

2. ISO 11092 発汗ホットプレート法

(ボーケントピックNo.148参照)

ISO 11092には保温性と透湿性の両方が規定されているため、暖かく蒸れにくいといった特徴を持つ素材の測定が可能です。
ある程度厚みのある製品や厚さが不均一な製品(キルティング等)の透湿性を測定できます。

写真1は、発汗ホットプレート法の試験設備(Integrated Sweating Guarded Hotplate Model:431-211:Measurement Technology Northwest社製)の外観です。
試験設備(恒温恒湿槽)内に写真2のような発汗ホットプレート試験機が設置され、この試験機には熱板(水蒸気透過抵抗測定時;実際にはセロファン膜で覆う)が設けられています。
発汗ホットプレート法ではこの熱板の消費電力量を測定し、水蒸気透過抵抗及び温熱抵抗を算出します。各測定項目の概略は以下の通りです。

表1 測定項目概略

測定目的 測定項目 概要
透湿性
(蒸れにくさ)
水蒸気透過抵抗
Ret(m2・Pa/W)
この数値が小さい程、水蒸気透過性が高い(蒸れにくい)ことを意味する。
保温性
(暖かさ)
温熱抵抗
Rct(m2・K/W)
この数値が大きい程、保温性が高いことを意味する。
暖かく、
蒸れにくい
水蒸気透過指数
imt
保温性が高く、水蒸気透過抵抗が小さい程、水蒸気透過指数は高くなる。つまり、この数値が大きい程、保温性のわりに水蒸気透過性が高い(蒸れにくい)傾向を意味する。


写真1
試験設備外観
写真2
発汗ホットプレート試験機
(水蒸気透過抵抗測定時:
実際にはセロファン膜で覆う)

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