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お知らせ

カシミヤのDNA鑑別法がISO化されました ―国際規格ISO 18074(DNA分析法による獣毛繊維の鑑別)―

カシミヤのDNA鑑別法がISO化されました
―国際規格ISO 18074(DNA分析法による獣毛繊維の鑑別)―

概要

ボーケンでは、従来の光学顕微鏡による目視試験に代わる獣毛繊維のDNA鑑別法の研究開発を進め、これらの成果が、国立研究開発法人産業技術総合研究所を中心に経済産業省等の委託事業の「カシミヤ繊維の試験方法に関する標準化」の基礎データに活用されました。

DNA鑑別法は、国際標準化機構(ISO)に提案され、国際規格の作成から発行に至るまでの審議を経てISO 18074が発行されました。この間ボーケンは、技術専門家としてプロジェクトリーダー(産業技術総合研究所)と連携しつつ、ラウンドロビングテスト等技術的分野に活動してきました。

ISO 18074 Textiles–Identification of some animal fibres by DNA analysis method–Cashmere, wool, yak and their blends

DNA分析手法を用いてカシミヤ、羊毛、ヤク等を識別する試験方法を規定するものです。

 

国際標準化(ISO)の経緯

従来、カシミヤ繊維の鑑別は、光学顕微鏡法による目視確認が唯一の標準化された方法でしたが、長年の経験と高度な技術を必要とされていました。

また、最近は多様な染色加工が施されたカシミヤ製品が市場に出回るなど鑑別が難しくなっており、より客観的、科学的なDNA鑑別法の確立、標準化が要望されていました。

これらの状況から、国立研究開発法人産業技術総合研究所・金沢工業大学・(一財)ボーケン品質評価機構が、DNAの抽出方法の改良、実証データの収集・解析、試験手順の明文化等共同研究を積み重ね、国内標準化委員会及び国際規格(ISO/TC38)の審議を経て、日本が提案したISO 18074が2015年12月1日に発行されました。

【試験方法】

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ペプチド分析法について

ボーケンでは、更に新しい試験方法として金沢工業大学と「ペプチド分析法」を開発し、2014年より試験受付を開始しております。

 

獣毛混用率「化学分析法」試験受付開始のお知らせ

https://www.boken.or.jp/topic_125.pdf

この方法は、平成26年度 繊維学会論文賞を受賞した試験方法であり、現在、金沢工業大学が中心となり、DNA鑑別法と同様に国際標準化の提案を行っております。