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お知らせ

JIS L 0216「羽毛用語」ならびにJIS L 1903「羽毛試験方法」が改正されました!

改正の主旨

近年、羽毛の機能を持たない増量用の未熟で極小なダウンや短いファイバーなどを混入させた羽毛製品が増加しており、現在のJIS試験方法では、それらに対応する適切な試験や評価が困難になっています。
JIS L 0216「羽毛用語」は、用語定義の見直しと試験に関する用語の追加、及びJIS L 0216「羽毛用語」改定に整合させるためのJIS L 1903「羽毛試験方法」の改正となります。(2022年9月20日改正)

JIS L 0216の主な改正点

1.羽毛の名称に関する用語

ダウンダウンは諸外国では立体構造とされており、羽枝が2本の状態は、平面構造で立体構造ではない。そのため羽枝が3本以上、長さ3㎜以上を定義に追加。
損傷フェザー損傷の程度を、面積3分の1以上損傷しているものと定義。
ファイバー陸鳥ファイバーを追加。
ダウンファイバー長さ3㎜以上を定義に追加。羽枝が2本以下の状態まで分離したものと変更。
フェザーファイバー長さ3㎜以上を追加。
陸鳥ファイバー陸鳥フェザーから脱落した羽枝、長さ3㎜以上を追加。
羽枝が3本以上あるダウン
きょう雑物(長さが3mm未満のもの)

2.試験に関する用語

かさ高性は、「体積」で表示することが一般的となっている。体積表示する場合には“ダウンパワー(㎝3/g)”と、諸外国で規格化されている”フィルパワー(in3/30g)“があり、区別するために定義を追加。

JIS L 0216から見てJIS L 1903は主にどこが改正された?

  • 組成混合率:各組成成分に包含するものの例(下図)の見直しと手順などを追加。
  • かさ高性 :体積測定のダウンパワー及び高さ測定に表示する単位などを追加。
  • 清浄度  :試験試料の数を6個分から8個分に改正
改正後 改正前
ダウン ダウン ダウン
羽枝が3本以上、最大の長さ3㎜以上 羽枝が2本以上あるダウン
類似ダウン 類似ダウン
未熟ダウン 未熟ダウン
スモールフェザー 長さ65㎜未満のフェザー 長さ65㎜未満のフェザー
未熟フェザー 未熟フェザー
羽枝が平面状のフェザー 羽枝が平面状のフェザー
糸状フェザー 糸状フェザー
ラージフェザー 長さ65㎜以上のフェザー 長さ65㎜以上のフェザー
損傷フェザー 面積の3分の1以上損傷したもの 損傷したもの
陸鳥フェザー チキンフェザーなど チキンフェザーなど
ダウンファイバー ダウンの羽軸から分離した長さが3㎜以上の羽枝、それぞれ2本の状態まで分離しているもの ダウンの羽軸から分離した羽枝で、それぞれ1本の状態まで分離しているもの
陸鳥ファイバー 陸鳥ファイバー
フェザーファイバー フェザーファイバー フェザーファイバー
きょう雑物 上記以外のくず及び異物 上記以外のくず及び異物

まとめ

羽毛用語の定義が変更になったことで、羽毛試験方法の組成混合率試験において、きょう雑物に包含するものの範囲が広がりました。
  • 羽軸から分離した羽枝が2本の状態まで分離しダウンに類似していても最大の長さが3㎜未満のもの
  • ダウンファイバー、フェザーファイバー、陸鳥ファイバーで羽枝の長さが3㎜未満のもの
したがって、改正前の組成混合率と試験結果が異なる場合があります。

お問い合わせ先

繊維事業本部
東京試験センター TEL:03-5669-1380