JIS S 1052は現在廃番となった規格ですが、いすやソファ、座いすなどのクッション材が「実使用によってどの程度へたるのか」を最もシンプルかつ実使用に近い形で評価できる試験方法として、現在も多くのメーカーで採用されています。 本試験では、20kgの加圧体を高さ100mmから反復的に自由落下させることで、座面に衝撃と繰り返し荷重の複合的負荷を付与し、使用によるクッション性の低下(へたり量)を数値化します。
背景
いすの座面・ソファなどのクッション材は、ウレタンフォームやビーズの劣化により「へたり」が生じやすく、長期間の使用によりウレタンフォームが潰れたり、ビーズが偏ったりすると、座り心地の低下や姿勢保持性の悪化に繋がります。 いすの強度試験の現行規格であるJIS S 1203において、座面に負荷を付与する試験には、構造体としての十分な機能を評価する「座面の静的強度試験」、反復荷重による“座面のたわみ”を評価する「座面の耐久性試験」と、強い衝撃に対する破壊/破損を確認する「座面の耐衝撃性試験」がありますが、いずれも独立した評価試験であり、且つクッション材の「へたり」を評価するものではありません。 そのため、実使用に近い「衝撃×反復荷重」の複合負荷を再現し、クッション材の厚み低下を数値で把握できるクッション性のへたり試験は、事務用応接いすとしての規格の廃番後もソファ・ソファベッド、座いす・クッション製品、ゲーミングチェア、マットレス小サンプル等の耐久設計や比較評価、量産前のリスク評価に活用されています。