医薬品中の元素不純物分析(ICH-Q3D) 2021/8/5 第十七改正日本薬局方第二追補の一般試験法にICH Q3D(医薬品の元素不純物ガイドライン)に基づく「元素不純物試験法」が、参考情報に「製剤中の元素不純物の管理」が収載されました。さらに第十八改正日本薬局方においては通則として収載され、対象元素不純物に関して十分なリスクアセスメントが求められています。対象となる24元素はその毒性からクラスが分類され、投与経路から1日許容曝露量(PDE)が定められています。 リスクアセスメントにおいて考慮すべき元素 元素 クラス 評価 As、Cd、Hg、Pb 1 ヒトに対する毒性元素全ての投与経路で評価が必要 Co、Ni、V 2A 天然に存在し、全ての投与経路で評価が必要 Ag、Au、Ir、Os、Pd、Pt、Rh、Ru、Se、Tl 2B 意図的に添加された場合は評価が必要 Ba、Cr、Cu、Li、Mo、Sb、Sn 3 比較的毒性が低い 経口剤:意図的に添加されない限り評価不要 注射剤、吸入剤:評価が必要 元素不純物のPDE値 元素 クラス 経口製剤のPDE値 注射剤の PDE値 吸入剤の PDE値 μg/day μg/day μg/day Cd 1 5 2 3 Pb 1 5 5 5 As 1 15 15 2 Hg 1 30 3 1 Co 2A 50 5 3 V 2A 100 10 1 Ni 2A 200 20 5 Tl 2B 8 8 8 Au 2B 100 100 1 Pd 2B 100 10 1 Ir 2B 100 10 1 Os 2B 100 10 1 Rh 2B 100 10 1 Ru 2B 100 10 1 Se 2B 150 80 130 Ag 2B 150 10 7 Pt 2B 100 10 1 Li 3 550 250 25 Sb 3 1200 90 20 Ba 3 1400 700 300 Mo 3 3000 1500 10 Cu 3 3000 300 30 Sn 3 6000 600 60 Cr 3 11000 1100 3 管理閾値はPDE値の30%とされており、試料に適した前処理と精度の高い分析技術が求められます。ボーケンでは主にマイクロ波加熱分解とICP-MSを用いて以下の項目を試験実施します。・24元素スクリーニング・試験法検討及び設定・分析法バリデーション・定量試験 マイクロ波加熱分解装置 誘導結合プラズマ質量分析装置(ICP-MS) 試験の流れ Step 1 お問合せお問合せフォーム、電話、メールにてお伺いいたします。Step 2 24元素スクリーニング必要に応じてスクリーニング分析を実施します。Step 3 検討試験・分析法バリデーション必要に応じて試験法検討・分析法バリデーションを実施します。Step 4 試験実施ご依頼に応じた試験を行います。Step 5 報告書作成ご要望よっては御社のフォーマットでご報告します。 元素不純物試験についてのお問い合わせ ボーケン品質評価機構 認証分析センター(化粧品グループ) お問い合わせフォームはこちら