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いすの背もたれ・ひじ部の耐衝撃性試験(JIS S 1203)

目的

いすは使用中だけでなく、移動や設置、保管時などに不意に転倒や接触する可能性があります。転倒や接触した際には、背もたれやひじ部が床面や対象物に衝突し、局所的に大きな衝撃が加わります。背もたれ・ひじ部の耐衝撃性試験は、こうした状況を想定し、いすが転倒や接触した際に、背もたれやひじ部が破壊・脱落せず、安全を保てるかを確認することを目的としています。
本試験は、人が座った状態での転倒を想定するものではなく、いす単体での構造的な耐衝撃性を評価する試験です。

試験の考え方

背もたれ・ひじ部の耐衝撃性試験では、座面への荷重や人体条件を設定しておりません。これは、背もたれの静的強度試験・耐久性試験、ひじ部の静的水平力・静的垂直力試験はいずれも着座を考慮した方向に荷重を掛けます。それに対して、耐衝撃性試験は、椅子が転倒や接触した際に、背もたれやひじ部が受ける外力を瞬発力として再現性の高い条件で、いす単体の構造強度を評価するものです。
試験体はストッパにより転倒方向を制限した状態で設置し、転倒時に床面へ衝突する状況を、衝撃ハンマによって再現します。

試験方法(7.11 背もたれの耐衝撃性試験)

試験体を水平な床に設置して、前脚をストッパに当てます(試験体を固定しない)。
背もたれの最上部の外側中央、また背当てがない場合は座面の後縁の中央を、目的の区分に合った落下高さから落下する衝撃ハンマ(6.5㎏、直径38mm)によって打撃することを10回繰り返します。
衝撃ハンマによる背もたれの外側から衝撃は、いすが後方に倒れた際に背もたれが床面に衝突する状況を模しています。

目的の区分に合った落下高さ

 試験区分

1

2

3

4

5

高さ(mm)

70

120

210

330

620

角度(度)

20

28

38

48

68

※試験区分・・・試験条件の厳しさを表しており、数字が大きいほど厳しい条件となります。

試験方法(7.12 ひじ部の耐衝撃性試験)

試験体を水平な床に設置して、両サイドのうち試験しない側の前後脚をストッパに当てます(試験体を固定しない)。
試験をする側の最も故障しやすい位置の外側面に対して、背もたれの衝撃試験と同様に、目的の区分に合った落下高さから6.5㎏の衝撃ハンマ(6.5㎏、直径38mm)を落下させて打撃することを10回繰り返します。
衝撃ハンマによるひじの外側からの衝撃は、いすが側方に倒れた際に、ひじ部が床面に衝突する状況を想定しています。

座面の耐衝撃性試験との違い

JIS S 1203では、耐衝撃性試験を部位ごとに分けて規定しています。

・座面の耐衝撃性試験(7.10)
 人が着座する時の衝撃を想定し、座面衝撃体を自由落下させる試験
・背もたれ・ひじ部の耐衝撃性試験(7.11・7.12)
 いすの転倒時の衝撃を想定し、衝撃ハンマで局所的な衝撃を与える試験

それぞれ想定する使用状況に合わせて、補完的に安全性を評価しています。

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