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光触媒抗菌性

目的

光触媒とは、光(紫外線等)が当たることで活性酸素を生成させ、これに触れた有機物や有害物質を分解する作用を発揮するもので、消臭、抗菌、防汚、空気清浄などの効果があると言われています。光触媒物質として最もよく用いられているものは酸化チタンです。光触媒加工は繊維製品のほか、タイルやブラインド、外壁などにも利用されており、そういった光触媒加工製品の抗菌性能を評価するために行う試験です。
一般社団法人繊維評価技術協議会(略称:繊技協)は、繊維製品について光触媒による抗菌加工のマーク(SEKマーク)の認証を実施しています。ボーケンではそのマーク認証に必要な光触媒試験の実施が可能です。

 

試験方法

光触媒による抗菌性試験は「JIS R 1702ファインセラミックス―光照射下での光触媒抗菌性加工製品の抗菌性試験方法・抗菌効果」に基づいて試験を実施します。
試験方法にはガラス密着法とフィルム密着法があり、生地や繊維製品はガラス密着法、タイルやプラスチック製品等はフィルム密着法で実施します。

①ガラス密着法

シャーレの底に調湿用ろ紙と滅菌水を入れ、U字形ガラス管を置きます。その上にガラス板を置き、5cm×5cmの試験片を載せて試験菌液0.2mlを滴下し、さらに密着ガラスをかぶせます。乾燥しないようにガラス板で蓋をします。このシャーレを25±5℃で、紫外線照射下(明条件)と紫外線照射なし(暗条件)とで8時間置き、培養します。非イオン界面活性剤0.2%を含む生理食塩水を加えて試料から菌を洗い出し、洗い出し液中の菌数を混釈平板培養法(コロニー法)により測定し、下記の式に従い静菌活性値と光照射による効果を算出します。試験に用いる細菌の種類としては、黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌になります。

静菌活性値 =log(標準布・明条件の培養後生菌数)- log(加工試料・明条件の培養後生菌数)

光照射による効果={log(標準布・明条件の培養後生菌数)- log(加工試料・明条件の培養後生菌数)}
-{log(標準布・暗条件の培養後生菌数)- log(加工試料・暗条件の培養後生菌数)}

【抗菌効果】
静菌活性値 ≧ 2.0

②フィルム密着法

シャーレの底に調湿用ろ紙と滅菌水を入れ、U字形ガラス管を置きます。その上に5cm×5cmの試験片を載せて試験菌液0.15mlを滴下し、さらに密着フィルムをかぶせます。乾燥しないようにガラス板で蓋をします。ガラス密着法と同様に明条件と暗条件での培養と生菌数の測定を行い、下記の式に従い抗菌活性値と光照射による効果を算出します。試験に用いる細菌の種類としては、黄色ぶどう球菌、大腸菌になります。

抗菌活性値 =log(無加工試料・明条件の培養後生菌数/加工試料・明条件の培養後生菌数)

 

光照射による効果=log(無加工試料・明条件の培養後生菌数/加工試料・明条件の培養後生菌数)

        -log(無加工試料・暗条件の培養後生菌数/加工試料・暗条件の培養後生菌数)

 

【抗菌効果】
抗菌活性値 ≧ 2.0

【ガラス密着法】

photocatalyst_antibact.1.jpg

【明条件での培養】

photocatalyst_antibact.2.jpg

(一社)繊維評価技術協議会(略称:繊技協)は、繊維製品について光触媒による抗菌加工のマーク(SEKマーク)の認証を実施しています。

【SEKマーク基準試験方法】

抗菌加工の種類

定量試験

対象菌

光触媒抗菌加工

ガラス密着法

黄色ぶどう球菌、肺炎かん菌

※紫外放射照度は0.25mW/cm2以下とする。

比較対象布:未加工布または標準布

【評価基準】
静菌活性値 ≧ 2.0 かつ 光照射による効果 ≧ 1.0
※加工、用途、品目ごとに、耐久性として洗濯方法、洗濯回数が定められています。

【SEKマークの表示例】

 

sek4.jpg

光触媒抗菌加工

(光触媒効果により、繊維上の

細菌の増殖を抑制します。)

認証番号○○○○○

一般社団法人繊維評価技術協議会

剤名:大分類(中又は小分類)

社名及び/又は商標