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防汚性(ボーケン法)

目的

繊維製品の汚れにくさ及び付いた汚れの落ちやすさを評価するために行う試験です。ボーケン規格としてはJIS L 1919に比べてより具体的な汚れを想定した試験を実施しています。

 

試験方法

①実用生活汚れに対する防汚性試験(ボーケン規格BQE A 039)

一般家庭で想定される汚れを用い、家庭洗濯による汚れの落ちやすさを評価する試験です。SEKマーク(防汚加工)取得のための防汚性試験 食品汚れ試験(繊技協法)が家庭汚れに対する防汚性試験(ボーケン規格 BQE A 001)がベースとなり制定されました。これに伴い、家庭汚れに対する防汚性試験(ボーケン規格 BQE A 001)を廃止し、繊技協法を包括した試験として実用生活汚れに対する防汚性試験(ボーケン規格 BQE A 039)を新たに制定しました。汚れ種毎に、試験片(15cm×15cm)中央部に汚れ種約0.2gを付着させ、24時間放置後、JIS L 1930 C4M法に準じて洗濯を行い、吊り干し乾燥させます。試験片の残留汚れを汚染用グレースケールで判定します。

【汚れ種】

カレー、ミートソース、ラー油

ソース、醤油、ワイン、コーヒー、ケチャップ、ポスターカラー、墨汁など

<繊技協法【必須】>カレー、ミートソース、ラー油

<繊技協法【選択】>ソース、醤油、ワイン、コーヒー

【試験結果例】

【判定】

洗濯後の汚れ種を付着させた試験片と付着させていない試験片の間に見える色差と、JIS L 0805に規定する汚染用グレースケールの各色票間に見える色差とを比較し、判定する。

【評価の目安】4級以上

②赤土法(ボーケン規格BQE A 005)

ユニフォームや靴下等の土汚れを想定した試験で、汚れにくさ及び付いた汚れの落ちやすさを評価する試験です。試験片(6×6㎝)2枚と汚れ成分2gをビニール袋に入れ、空気で膨らませ、ビニール袋の口を止めます。ICI形ピリング試験機で30分間処理した後、1枚をJIS L 0844 A-2号で洗濯処理します。2枚各々の汚染程度を汚染用グレースケールで判定します。

【汚れ成分】
JIS試験用粉体8種(関東ローム層の赤土)

【試験結果例】

antisoil_2.2.jpg

 

③衿等の汗ジミに対する防汚性試験方法(ボーケン規格BQE A 032)

衿の汗ジミとは、汗中の皮脂とアイロン等の熱との複合作用が原因となって、ワイシャツの衿山に沿ってできる変色のことです。この試験方法はこういった汗ジミに対する防汚性を評価する試験方法であり、汗の皮脂成分であるオレイン酸を用いて実施します。衿羽部分の試料2枚に汚染成分0.01mlを滴下します。24時間放置後、1枚をJIS L 1930 C4M法で洗濯処理し、自然乾燥後、絵表示の温度(高温200℃、中温150℃、低温110℃)で15秒間プレスします。2枚各々の汚染と未汚染部の色差を変退色用グレースケールで判定します。


【汚れ成分】

オレイン酸50%(溶媒:エタノール)

【試験結果例】

(綿/ポリエステル混用品)

antisoil_2.3.jpg

【評価の目安】
汗ジミ防止加工品は洗濯後の判定が4級以上であること