色泣き 2016/7/14 目的 色泣き試験とは、色泣きをする恐れがないかどうかを調べるために行う試験です。特に配色使いの製品、白場の多いプリント品、ボーダー柄等の製品で注意が必要です。 色泣きとは? 洗濯や雨で衣料品が濡れた場合、染色部から白場や淡色部に染料が移動して色が泣き出したように見える現象を色泣き、またはブリードと言います。 色はどのように移るの? 色が移る現象には2種類あり、汚染とブリード(色泣き、にじみ)に分けられます。 汚染とは、溶剤により溶出した染料が他布(添付布)へ染着すること、又は、摩擦により他布へ染着することを指しています。 ブリードとは、繊維間の毛細管現象により、湿潤部から乾燥部へ溶剤が移動するのに伴って、遊離染料が移動して生じた汚染現象のことをいいます。 なぜ色移りが起きるの? 色移りは色々な原因が有るのですが、その中でも「ソーピング(洗い)不足」が最もよく起こる原因の一つになります。染色する際に染料を使用しますが、使用した染料全てが繊維と結合するわけではありません。 この結合しなかった染料を一般的に「未固着染料」と言い、下図のように繊維上にただ単に乗っているだけのイメージになります。 染色後のソーピング工程(洗い工程)で未固着染料をしっかりと洗い落とさないと(いわゆるソーピング不足やソーピング不良になると)、後々トラブルに繋がる可能性が高くなります。 試験方法 異色濃淡組合せのプリント、配色使い、先染めボーダー等の染色部分から白場や淡色部への染料の泣き出し(ブリード)を試験します。ボーケンでは「色泣き試験方法(大丸法)」に基づいて試験を実施しています。 1. 試料の調整は、プリント柄や縞柄生地の場合は細長く切ったものを試験片とし、無地の場合は2.5cm×3cmの試料を長さ約20cmの綿添付白布と縫付け、試験片とします。 2. 0.05%非イオン界面活性剤溶液の入ったビーカーに、試験片の片端を2cm浸漬します。 3. 2時間放置した後、ビーカーを取り除いて自然乾燥し、白場又は添付白布への汚染の程度を判定します。 試験の様子 試験の結果汚染用グレースケール4号と同等または濃い場合:色泣きあり又は4級以下の等級汚染用グレースケール4号より淡い場合:色泣き僅かにあり又は4-5級汚染がない場合:色泣きなし又は5級※汚染が染料以外の処理剤による場合は、その旨を付記し、色泣きとは考えない。