羊毛製品はふくらみ及び弾力性があるため保温性に優れているが、これは他の繊維には見られない非常に細かい縮れ(クリンプ)と、さらに繊維の表面にスケールと呼ばれる鱗片状の表皮を持っていることに起因する。クリンプは、隣接する繊維との距離を広げ、糸・織編物の内部に空間を作りふくらみや保温性を持たせる効果を発揮する。非常に変形しやすいが、外力からの解放あるいはさらにスチーム処理することで復元する。
また、スケールの存在により互いの繊維同士が絡み合う現象(フェルト化)することがあげられる。家庭用洗濯機で洗濯すると縮んでしまう欠点になる反面、厚手で繊維が密に詰まった構造の羊毛製品を作ることを可能にしている。スケールを物理的あるいは化学的に処理することでこのような作用はなくなる。
また、アルカリに非常に弱く、繊維の脆化を引き起こす。虫にも侵されやすい。