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座面の静的強度試験(JIS S 1203)

目的

家具の安全性と耐久性は、使用者の安心と満足に直結する重要な品質要素です。とりわけ、いすやスツールといった着座家具は、日常的に繰り返し荷重がかかるため、設計段階から十分な強度評価が求められます。 その中でも「座面」は、使用時に最も大きな力が加わる部位であり、破損や変形が発生すれば重大な事故につながるおそれがあります。こうしたリスクを未然に防ぎ、製品の信頼性を客観的に証明する手段として有効なのが、JIS S 1203に基づく「座面の静的強度試験」です。

試験方法

JIS S 1203 7.1 座面の静的強度試験

ボーケンが実施する座面の静的強度試験は、日本産業規格 JIS S 1203「家具-いす及びスツール-強度と耐久性の試験方法」の7.1項に準拠して行われます。JIS S 1203は、いすやスツールの構造的安全性と耐久性を評価するために制定された日本産業規格であり、国際規格ISO 7173:1989との整合性も考慮されています。
この規格では、家具の使用環境に応じた5つの試験区分(区分1~5)が設定されており、各部位に対して静的強度試験、耐久性試験、衝撃試験などが定義されています。特に座面の静的強度試験は、着座時に加わる垂直荷重に対して、製品が安全に耐えられるかを確認するための重要な評価項目です。

試験では、以下の条件に基づいて評価を行います

・試験対象部位:座面の「座面負荷位置」、「前縁から100mm後方の位置」
○「座面負荷位置」は、使用者が深く腰掛けた際に荷重が集中する位置を想定しています。
○「前縁から100mm後方の位置」は、使用者が浅く腰掛けた際に荷重がかかる位置を想定しています。

・荷重条件:試験区分による  (例)区分3で実施の場合…1300Nの垂直力/10秒間×10回
・判定基準:各部に破損、緩み、機能に影響する変形等の異常がないこと。

このように、異なる着座姿勢を想定した複数の荷重位置に対して試験を行うことで、製品がさまざまな使用状況において安全性を確保できるかを総合的に評価できます。

JIS S 1203に基づく試験は、製品の信頼性を第三者機関が証明する手段として、品質保証や設計改善、輸出入管理、ご指摘対応など幅広い用途に活用されています。

【試験区分】
JIS S 1203では、家具の使用環境や目的に応じて試験区分(1~5)が設定されています。区分が上がるほど、荷重や繰り返し回数が増加し、より厳しい条件での評価が可能です。

JISに規定された座面への垂直力

試験区分

1

2

3

4

5

垂直力(N)

1100

1300

1600

2000

※試験区分・・・試験条件の厳しさを表しており、数字が大きいほど厳しい条件となります。

座面の静的強度試験では、区分2以上が対象となり、製品の使用目的に応じた適切な荷重条件で評価を行います。(※過剰使用や想定外の使用等に対する評価・保証をするものではありません。)

座面及び背もたれの静的強度試験 JIS S 1203

【試験動画】

【対象製品と対応業種】
ボーケンでは、以下のような製品に対して座面の静的強度試験を実施しています

・一般家庭用いす
・オフィスチェア
・学校・病院・公共施設用スツール
・高齢者・介護用家具
・輸入家具の性能確認
・腰掛けることが可能な製品のリスク評価
・収納可能な箱状製品(例:クーラーボックス)に座る誤使用リスクの評価

また、以下のような幅広い業種からのご依頼に対応しております

・家具メーカー
・設計事務所
・輸入業者
・小売業者
・自治体・教育機関 など

試験の活用例とメリット
JIS S 1203に基づく座面の静的強度試験は、以下のような目的で活用されています

・製品の品質保証
・設計改善や安全性の検証
・輸出入時の性能確認
・ご指摘対応の根拠資料としての活用
第三者機関による客観的な評価は、製品の信頼性を高め、企業のブランド価値向上にもつながります。

ボーケンでは、JIS規格に準拠した試験体制を整え、家具メーカー様、設計者様、輸入業者様など、製品の品質保証を重視される皆様のニーズに応える試験サービスを提供しています。

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