オフィス用回転椅子 座面及び背もたれの耐久性試験(JIS S 1206)
目的
毎日の仕事中、長時間あなたの身体を支えるオフィス用回転椅子(以下:オフィスチェア)は、仕事の快適性や効率性アップの重要なツールです。安全なイスを選び、正しく座ることで、転倒防止や疲労軽減につながります。
特に、【着座・離座の繰り返し】【体重移動を伴う姿勢変化】【背もたれへの継続的なもたれ動作】といった使用形態は、座面および背もたれに大きな疲労負荷を与えます。これらの部位に破損や著しい変形が生じた場合、快適性の低下だけでなく、使用上の支障や事故につながるおそれがあります。
JIS S 1206「座面及び背もたれの耐久性試験」は、こうしたオフィスチェア特有の使用状況を想定し、製品が長期間にわたり安全に使用できる耐久性を有しているかを客観的に評価するための試験です。
JIS S 1206「家具-オフィス用回転椅子-座面及び背もたれの耐久性試験」
ボーケンが実施するオフィス用回転チェア向け座面及び背もたれの耐久性試験は、日本産業規格JIS S 1206「家具-いす及びスツール-座面及び背もたれの耐久性試験」に準拠して行われます。本規格は、オフィスチェアの主要構成部位である座面、背もたれに対し、人体使用を想定した繰り返し荷重を加えることにより、構造部材や取付部の疲労耐久性を評価することを目的としています。
日常業務における「座る」「もたれる」といった動作を試験機により再現し、長期使用においても安全性および機能性が維持されるかを確認します。
試験方法
JIS S 1206 7.3.1 座面及び背もたれの耐久性試験
椅子の部位の位置決めの状態※1(図1)で椅子の座面から上部は、背もたれの中心がストッパを当てた脚羽根の隣り合った二つの支点の中間になるように、位置させます。 座面の荷重は、座面に当て板を用いて垂直に加える。背もたれの力は、背もたれの当て板を用いて荷重を完全に加えたとき、背もたれに対して90°±10°の角度で加えます。全ての椅子は、下記表1の手順1〜5によって試験しなければなりません。
座面及び背もたれの可傾に対するロック装置を備えた椅子は、手順2の際に、装置をロックした状態で前半のサイクル数を試験し、次に、後半のサイクル数を、装置をロックしない状態で試験を行います。 前半のサイクル数について、背もたれは直立位置とします。手順3、手順4及び手順5では、機構が自由に動くように設定します。
(※1)椅子の部位の位置決め
①座面高さ:最高位置
②座面:水平及び最前方
③背もたれの高さ:最高位置背もたれの奥行:破損の
可能性が最大
④傾斜強弱調整:中間
⑤キャスター及び脚羽根:脚羽根アームに対して90度
荷重箇所、荷重値、サイクル数は以下の表1及び図2の通りです。
表1. 座面及び背もたれの耐久性試験のための推奨力及びサイクル数
| 試験 |
座面及び背もたれの耐久性試験
| 条件 | 附属書A※2 | 附属書JA※3 | |
| 手順1 | 点A | 1500N | 1250N |
| サイクル | 120,000 | 60,000 | |
| 手順2 | 点C | 1200N | 1000N |
| 点B | 320N | 320N | |
| サイクル | 80,000 | 40,000 | |
| 手順3 | 点J | 1200N | 1000N |
| 点E | 320N | 320N | |
| サイクル | 20,000 | 10,000 | |
| 手順4 | 点F | 1200N | 1000N |
| 点H | 320N | 320N | |
| サイクル | 20,000 | 10,000 | |
| 手順5 | 点D | 1200N | 1000N |
| 点G | 320N | 320N | |
| サイクル | 20,000 | 10,000 | |
※2 付属書A:体重が110 kg以下の人による1週間40時間当たりの使用に基づいている。
※3 付属書JA:付属書Aから体重が90 kg以下の人に対応するように算出したもの。
判定基準
試験後、各部に破損、緩み、使用上支障をきたす変形、機能低下などの異常がないこと。
本試験では、オフィスチェアの使用中に繰り返し発生する負荷を長時間にわたって繰り返し加えることで、「座面構造」「背もたれ支柱・取付金具の疲労」「リクライニング機構周辺部の耐久性」などを総合的に評価できます。JIS S 1206に基づく耐久性試験は、「購入直後の強度」ではなく、「数年使用後の安全性」を確認するための重要な評価手法として、オフィスチェアの品質保証に広く活用されています。
【対象製品と対応業種】
ボーケンでは、以下のようなオフィス用回転チェアを対象に耐久性試験を実施しています。
- 一般事務用オフィスチェア
- 役員用・管理職用チェア
- 会議用チェア
- 公共施設・教育機関向け業務用チェア
- ゲーミングチェア
- テレワーク用回転チェア
- 輸入オフィスチェアの性能確認
【試験の活用例とメリット】
JIS S 1206に基づく座面及び背もたれの耐久性試験は、以下のような目的で活用されています。
- オフィスチェアの品質保証・製品信頼性の裏付け
- 設計段階における耐久性検証・改善
- 法人顧客・公共案件への性能説明資料
- お問合せ・事故対応時の客観的根拠資料
第三者試験機関による評価は、オフィスチェアの安全性・耐久性を可視化し、メーカー様や販売事業者様の信頼性向上に貢献します。
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