はっ水性とは繊維製品および生地の雨や水を弾く性能です。
シリコン系、フッ素系加工剤などで生地の表面張力を水の表面張力より小さくする事ではっ水性を持たせています。布目の隙間は完全にふさがれておらず、空気や粒子の小さい水は通るため蒸れにくい反面、強い雨や長時間の雨などの場合、水が浸透することがあります。

耐水性とは繊維製品及び生地の雨や水の通過または浸透を防ぐ性能です。
油脂やゴム、合成樹脂などを生地の片面あるいは両面に噴霧やコーティングをしたり、樹脂シートなどを生地に接着したりすることで水を防ぎます。空気や水蒸気を通さないので蒸れやすくなります。
ちなみに、耐水性を保ちつつ、蒸れも防止することができる「透湿防水性」という機能性もあります。

「JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法 はっ水度試験(スプレー試験)」に基づいて試験を実施します。
必要に応じて、前処理として洗濯処理またはウォッシュシリンダを用いたドライクリーニング処理、耐候処理を行います。
①45°に傾けた試験片に水250mLを散布します。
②余分な水滴を落とした後、湿潤状態を比較見本と比較して判定します。

家庭用品品質表示法では、コート類の製品にはっ水性をうたう場合、JIS L 1092に規定されている洗濯処理又はドライクリーニング処理後のはっ水度試験で2級以上の性能があることと定められています。
「JIS L 1092 繊維製品の防水性試験方法 耐水度試験(静水圧法)」に基づいて試験を実施します。試験は静水圧法で行い、A法(低水圧法)またはB法(高水圧法)のいずれかにより、各々対象アイテムが異なります。
A法(低水圧法)は約2000mmH₂Oまでの水圧に耐えるもので、レインウェア、おむつカバー、防水シーツ、傘などの製品又は布地に適用します。B法(高水圧法)は主に、通常約10kPa~約500kPaまでの水圧に耐えるもので、防水帆布、テント用布、靴用布などの製品または布地に適用します。A法(低水圧法)はISO 811と同様の試験方法です。
必要に応じて、前処理として洗濯処理またはウォッシュシリンダを用いたドライクリーニング処理、耐候処理を行います。
17cm×17cmの試験片を5枚採取し、測定を行います。
【A法(低水圧法)】
①使用時に水が当たる側が水に当たるように試験片を試験装置に取り付けます。
②600mm/min±30mm/minの速さで水準装置の水位を上昇させ、水圧をかけます。
③試験片の裏側に3か所から水が出た時の水位(mmH₂O)を測定します。
【B法(高水圧法)】
①使用時に水が当たる側が水に当たるように試験片を試験装置に取り付けます。
②100kPa/minの割合で水圧を加えます。
③試験片の裏側に3か所から水が出た時の水圧(kPa)を測定します。
耐水度試験装置(低水圧法の例)