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かび抵抗性(JIS Z 2911:繊維製品、プラスチック製品、その他)

目的

製品にかびが生育すると、脆化させるなど製品性能低下の原因となります。
かび抵抗性試験は工業製品や工業材料のかび抵抗性能(防カビ性)を評価するために行う試験です。

試験方法

「JIS Z 2911かび抵抗性試験方法」では繊維製品、プラスチック製品、一般工業製品、塗料、皮革及び皮革製品、電気製品・電子製品や光学機器・光通信機器など製品ごとにかびに対する抵抗性の試験方法が規定されています。

繊維製品の試験

試験対象かび:4種混合(クロコウジカビ、アオカビ、ケトミウム、ミロテシウム)

乾式法と湿式法があります。
①乾式法(衣料用、屋内用、衣装用の繊維製品などに適用)
シャーレ内の試料(5cm×5cm)上に胞子担体(混合胞子懸濁液を付着乾燥させた磁器素焼板)を置き、ガラス板を載せ、ふたをします。26℃で4週間培養し、試料表面の菌糸の発育状態を肉眼で観察します。

②湿式法(屋外、水中など、特にかび抵抗性を必要とする繊維製品などに適用)
平板培地上に試料(5cm×5cm)を貼付し、混合胞子懸濁液を接種します。26℃で2週間培養し、試料表面の菌糸の発育状態を肉眼で観察します。

試験結果の表示方法

かび発育状態結果の表示
菌糸の発育が認められない0
菌糸の発育は試料面積の1/3を超えない1
菌糸の発育は試料面積の1/3を超える2

試験結果例

湿式法 結果:2

プラスチック製品の試験

試験対象かび:5種混合(クロコウジカビ、アオカビ、ペシロミセス、トリコデルマ、ケトミウム)

方法Aと方法Bがあります。
①方法A(有機物が存在しない状況下での試料の抵抗性)
シャーレ内に試料(5cm×5cm)を置き、混合胞子懸濁液を接種します。29℃で4週間培養し、試料表面上のかびの発育状態を観察します。

②方法B(栄養成分の存在下でのかび発育抑制効果)
平板培地(栄養成分を含む)上に試料(5cm×5cm)を貼付し、混合胞子懸濁液を接種します。29℃で4週間培養し、試料表面上のかびの発育状態を観察します。

試験結果の表示方法

かび発育状態結果の表示
肉眼及び顕微鏡下でかびの発育は認められない0
肉眼ではかびの発育が認められないが、顕微鏡下では認められ、
試料面積の1a:25%以下、1b:26~50%、1c:50%を超える
1a,1b,1c
肉眼でかびの発育が認められ、試料面積の25%以下2
肉眼でかびの発育が認められ、試料面積の26~50%3
肉眼でかびの発育が認められ、試料面積の50%を超える4
菌糸の発育は激しく、試料全面を覆っている5

試験結果例

プラスチック B法 結果:4

一般社団法人抗菌製品技術協議会(略称:SIAA)は、防カビ加工製品(繊維製品を除く)について、マーク表示(SIAAマーク)の認証を実施しています。
ボーケンではその認証に必要なSIAAの定める「防カビ性」の評価試験が実施可能です。
なお、繊維製品についてはSEKマークの対象となり「JIS L 1921繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果」に基づいて試験を実施します。

SIAAマーク