花粉リリース
目的
花粉症への社会的関心が高まる中、その対策としてメガネやマスクといった花粉対策グッズが愛用され、最近では衣服に「花粉防止加工」を施した製品が販売されています。花粉対策には①花粉が付きにくい加工、②花粉が付いても容易に落ちる加工、③捕らえた花粉の飛散を抑制する加工(吸着加工)などがあります。そういった素材において、吸着した花粉の落ちやすさ(リリース性)を評価するために行う試験です。
試験方法
花粉リリース性試験(ボーケン規格BQE A 029)
試験片(約7cm×7cm)にスギ花粉を均一に付着させた後、花粉リリース装置にとりつけ、所定の振動(軽く手で払う程度)を加え花粉をリリースします。リリース前後の状態をマイクロスコープにより撮影し、リリース前の花粉数(a)とリリース後の花粉数(b)をカウントします。下記の式に従い花粉減少率(%)を算出します。
花粉減少率(%)={(a-b)/a }×100
【有意差の目安】
加工生地の減少率が未加工生地の減少率より20%以上大きいとき
【花粉リリース装置】
太鼓をモデルとした花粉リリース装置上部面に、分銅を一定の高さから落とし、その振動によりリリース装置下部面に取り付けた試験生地上の花粉をリリースする仕組みです。
【試験結果例】
試験片内の区画:約2mm2
加工生地(減少率88.4%)
リリース前 |
リリース後 |
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未加工生地(減少率39.8%)
リリース前 |
リリース後 |
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