繊維製品への移染
ホルムアルデヒドは、繊維製品の製造・加工・機能付加に当たって非常に多く使われてきた化学物質ですが有害性も有しております。では、どのような有害性を持つのかを考えてみましょう。
背 景
倉庫や陳列棚で保管中の商品が、ホルムアルデヒドによって汚染される事例が知られています。
ホルムアルデヒドの移染を防ぐためにはどのような方法があるのでしょうか。移染のメカニズムをもとに考えてみましょう。
移染のメカニズム
ここでは、移染のメカニズムについて考えてみましょう。
第一回目(ホルムアルデヒド①(繊維製品の規制関連))に示しましたようにホルムアルデヒドは室温では気体になる物質です。その為、ホルムアルデヒドを発生する物が保管室内に置かれると、
という順序で、周辺製品へホルムアルデヒドが移染するものと考えられます。
管理・測定手法
では、移染を防ぐためにはどのようにすれば良いのでしょうか。
対策として考えられることは、ホルムアルデヒドの発生源となるような物を同一室内に置かないということが最重要になります。
また、ホルムアルデヒドを通さない包装により製品を密封することも重要です。
そして、空気環境中のホルムアルデヒド濃度状況を管理するということが基本姿勢になります。
移染調査キットは、調査場所におけるホルムアルデヒドの移染度合を簡便な方法で予測するためのものです。
キットに入っている試験布(綿・毛)を一定期間調査場所に吊るし、試験布に移染したホルムアルデヒド量を厚生省令第34号の方法により分析する事によって移染の度合を予測します。
最後に・・・
ホルムアルデヒドは、「有害物質を含有した家庭用品の規制に関する法律」によって厳しく規制されている為、ご存知の事も多々あったかと思いますが、再確認をしていただければと思い、改めて紹介させていただきました。
ホルムアルデヒドは、健康被害を引き起こす危険性のある化合物です。皆様の商品から健康被害を起こさないために、ボーケンも一緒に考えていきたいと思っています。是非、ご参考にしてください。
- 参考文献>
- 1) ボーケン ホルマリン移染調査マニュアル 2009年1月