滑脱抵抗力試験(JIS L 1096)(関連規格:ISO 13936-2) 2026/4/1 目的 縫目に力が加わった時に、縫目部分の生地の糸が滑るように動いて縫目が開いたり縫い代から抜けたりする現象を滑脱と言います。滑脱に対する抵抗力を評価するために行う試験です。一般的に織物に適用されています。 背景 密度の粗い生地・薄手の生地を使用した衣料が出回ったり、化学繊維や柔軟加工の進化により生地を構成する糸と糸が滑りやすくなっています。そのため、服の縫い目に力がかかった際に縫い目が開いたり、縫い代から生地の糸がぬけ、穴が開いてしまうトラブルを防止するために重要です。 試験方法 「JIS L 1096織物及び編物の生地試験方法」に基づいて試験を実施します。滑脱抵抗力を調べる縫目滑脱法にはA法からD法まで試験方法がありますが、一般的によく用いられるB法について説明します。幅100mm×長さ170mmの試験片をたて方向及びよこ方向に5枚ずつ調整し、長辺を半分に折って折目を切断し、切断端から10mmのところを縫い合わせます。 【図1 試験試料の作成】 引張試験機を用いて、所定の引張荷重(薄地49.0N、厚地117.7N)を与えた後、試験機より取り外し1時間放置します。 【試験実施の様子】 縫目付近のたるみが消える程度の荷重(約4.90N/2.54㎝~約9.81N/2.54㎝)を縫目に直角方向に加え、縫目の滑りの最大孔の大きさ(mm)を測定します。【縫目の滑りの最大孔の大きさ測定=a +a’(mm)】 試験結果例 試験項目試験結果滑脱抵抗力試験(mm)たて 2.5よこ 3.6 評価基準 こちらからボーケン基準がご覧いただけます。物性試験の「滑脱抵抗力」の項目をご参照ください。 試料サイズ こちらから試料のサイズをご確認いただけます。物性試験の「滑脱抵抗力」の項目をご参照ください。 FAQ(よくあるご質問) Q1.滑脱抵抗力試験B法では一般的な荷重はいくつですか。A1.一般的な荷重は下記の通りです。薄地(ブラウス地・裏地など): 49.0N厚地(ボトムスなど) : 117.7N Q2.滑脱抵抗力試験の結果の良くするにはどうしたらいいですか。A2.下記の改良アプローチなどがあります。縫い代を大きくとる。運針数を細かくする。ロックミシンをかけたりやコバ縫いしたり、縫い目の形式を変える。滑脱防止テープを縫い目部分に接着する。滑脱防止剤で後加工をする。 Q3.滑脱抵抗力試験のたて/よこの結果は何を意味しますか。A3.下記通りです。(JIS)たて:たて糸上のよこ糸の動きよこ:よこ糸上のたて糸の動き 関連ページ 引張強さ試験(JIS L 1096)(関連規格:ISO 13934-1)No476_【滑脱試験】報告書を読み解く~その試験結果どういう意味~ – ⑫滑脱試験について –引裂強さ試験(JIS L 1096)(関連規格:ISO 13937-1) お問い合わせ 繊維事業本部 お問い合わせはこちら