FMVSS No.302 燃焼性試験|自動車内装材料の燃焼速度評価
目的
FMVSS No.302 とは、米国連邦自動車安全基準(FMVSS:Federal Motor Vehicle Safety Standards)の一つであり、車両火災、特にマッチやタバコなどを発火源として車両内部で発生する火災による乗員の死亡・負傷を減らす事を目的とした試験です。
乗用車、多目的乗用車、トラック及びバスなどの自動車内装材料を対象に、水平状態における燃焼速度を測定します。
◆対象部品例:
シートクッション、背もたれ、シートベルト、ヘッドライニング、コンパーティブルトップ、アームレスト、トリムパネル(ドアトリム,ルーフトリム,ラゲージトリムなど)、コンパートメントシェルフ、ヘッドレスト、床材、サンバイザ、カーテン、シェード、ホイールハウジングカバー、エンジン室カバー、マットレスカバー、衝撃緩衝材など
*上記の内、乗員室空積から 13mm 以内にある材料が試験対象
試験方法
◆試験片の設置
試験片をU字枠に挟み、試験機に挿入します。
(標準試験片サイズ:幅 102mm×356mm)
※試験片の幅が狭い等、標準のU字枠で保持できない場合は、ワイヤー付きU字枠を使用します。
標準U字枠に試験片を挟んだ状態
標準U字枠(下側)
ワイヤー付きU字枠に試験片を挟んだ状態
ワイヤー付きU字枠(下側)
◆接炎
バーナー炎(高さ 38mm)を試験片の端に15秒間当てます。
(バーナー炎は15 秒後に自動で消えます。)
◆試験中(時間計測開始)
試験片に燃え移った炎が、A標線に到達した時点から、燃焼時間(秒)の計測を開始します。
◆試験中
試験片に燃え移った炎が、水平移動していきます。
◆試験中(時間計測終了)
試験片に燃え移った炎が、B標線に到達した時点で、燃焼時間(秒)の計測を終了します。
※B標線に到達する前に炎が消えた場合は、その時点で時間計測を終了します。
◆燃焼速度の計算
A標線からの燃焼距離( mm )を測定し、次の式により燃焼速度( mm / min )を求めます。
燃焼速度( mm / min )= 燃焼距離( mm )/ 燃焼時間 (秒)×60
試験機
試験動画
関連規格
FMVSS No.302 の試験方法を基礎としている試験規格に「JIS D1201」があります。
JIS D1201 は、日本国内向けの自動車内装材に要求される「道路運送車両の保安基準の細目を定める告示・別添27(内装材料の難燃性の技術基準) 」の基礎になっています。
<関連規格との比較 ~試験条件~>
| FMVSS No.302 | JIS D1201 | 別添27 | |
| 標準試験片サイズ | 幅102×356mm | 幅100×356mm | 幅100×350mm |
| 標準サイズの試験片が 採取できない場合 | 最大限に使用できる幅・長さを使用 | ・幅3~60mmの場合 ・幅60~100mmの場合 ※上記に満たない場合は試験不可。 | 採取できる最大寸のものを使用 |
| 試験片厚さ | 13mm 以下 | 13mm 以下 | 12mm 以下 |
| 試験片枚数 | 規定無し (注2)(注3) | n = 5 (注3) | n = 5 (注3) |
| 状態調節 (前処理) | 21℃/50%RH ×24h (注4) | 23±2℃/50±5%RH ×24~168h | 20±5℃/50±5%RH ×24h 以上 |
| ワイヤー付きU字枠の 使用有無 | 必要に応じて使用 | 必ず使用 | 必要に応じて使用 |
| 炎の高さ | 38mm | 38mm | 38mm |
| 接炎時間 | 15秒 | 15秒 | 15秒 |
(注1):試験片の長さが短過ぎると、正確な測定が困難である事から、ボーケンでは長さ 138mm 以上を推奨。
(注2):固体差を考慮し、ボーケンでは原則 n=5 にて実施。
(注3):方向によって燃焼速度が異なる材料の場合は、最も不利な試験結果を生じる方向にて実施。
(注4):FMVSS No.302 規格には処理時間の上限が規定されていない為、ボーケンでは実務上、24~168h にて実施。
<関連規格との比較 ~評価基準~>
| FMVSS No.302 | ・燃焼速度 102mm/min 以下 ・燃焼時間 60 秒未満、且つ燃焼距離 51mm 以下 ※上記いずれかを満たすものが適合。 |
| JIS D1201 | 規定無し |
| 別添27 | ・燃焼しないこと ・燃焼速度の最大値が 100mm/min を超えないこと ・燃焼時間 60 秒未満、且つ燃焼距離 50mm 未満 ※上記いずれかを満たすものが適合。 |
完成車メーカーの難燃性試験規格にも対応
FMVSS No.302 の試験方法は、「完成車メーカーの難燃性試験規格」の基礎となっています。
ボーケンでは、完成車メーカーの難燃性試験規格にも対応しております。
お気軽にご相談下さい。
◆岡山試験センターは、
・日産系サプライヤーによる難燃性試験の立会監査
・スズキ㈱による難燃性試験クロスチェック監査
に適合しています。
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お問い合わせ
岡山試験センター(TEL:086-231-2700)
