走査型電子顕微鏡による観察試験 2002/6/13 目的 走査型電子顕微鏡を用いて拡大観察を行う試験です。 通常の光学顕微鏡では観察できない細部を観察する事により、繊維鑑別や事故原因調査に利用しています。走査型電子顕微鏡は焦点深度が光学顕微鏡に比べて著しく大きく、凹凸の激しい試料表面であってもほぼ全面に焦点が合うため、臨場感あふれたミクロの世界が映し出すことができます。 試験方法 走査型電子顕微鏡を用いて観察を行います。 事故原因調査の場合、繊維上を走査型電子顕微鏡で観察する事で事故原因を特定できる場合があります。例えば繊維上にカビが繁殖してシミになっている場合は、カビの胞子や菌糸を観察する事ができます。虫害で穴が開いてしまった場合は、繊維が喰いちぎれたような跡が観察され、他の要因と区別することができます。 また、動物の毛を鑑別する際に目視や光学顕微鏡で判別が難しい場合であっても、走査型電子顕微鏡で観察すれば表面のスケールの様子等より多くの情報が得る事ができ、繊維鑑別の精度向上に一役買います。 【走査型電子顕微鏡写真例】 カビ カビ 虫害を受けた繊維(ヒメカツオブシムシ) 虫害を受けた繊維(ヒメマルカツオブシムシ) 虫害を受けた繊維(コイガ) 物理的作用を受け引き裂かれた繊維 カシミヤ(側面) カシミヤ(断面) 人毛(側面) 人毛(断面) パンダ(側面)