CLOSE

試験方法から探す

合成樹脂製の器具又は容器包装試験

概要

合成樹脂製の器具又は容器包装は食品衛生法で規制されています。
合成樹脂(プラスチック)製品は、モノマー(単量体)やポリマー(重合体)を反応させて繋ぎ合わせ、目的に合うように成形されたものです。例えばモノマーのスチレンは重合して、ポリスチレンになり、カプロラクタムは重合してポリアミドになります。
しかし、全ての化学物質が反応しきれないことがあり、有害な物質が残っていることがあります。例えば、プラスチック製のコップに未反応モノマーが残っていたとします。するとそのコップにお茶を入れた時、お茶に化学物質が溶出する可能性があります。結果、この製品を使用してお茶を飲んだ場合、化学物質を直接体に取り込むことになってしまいます。そのため、合成樹脂製の器具又は容器包装は食品衛生法で規制されています。

 

合成樹脂の器具又は容器包装の規制内容について

(1) フェノール樹脂、メラミン樹脂又はユリア樹脂を主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

フェノール

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(5μg/ml以下)

水 60℃×30分

水 95℃×30分

ホルムアルデヒド

対照液の呈する色より濃くてはならない

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(2) ホルムアルデヒドを製造原料とする合成樹脂(フェノール樹脂、メラミン樹脂、ユリア樹脂を除く)

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

ホルムアルデヒド

対照液の呈する色より濃くてはならない

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(3) ポリ塩化ビニルを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質
試験

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下,試料:100μg/g以下)

 -

ジブチルスズ化合物

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(二塩化ジブチルスズとして試験溶液中:
1μg/ml以下、試料:50μg/g以下)

クレゾールリン酸エステル

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(試験溶液中:10μg/ml以下、試料:1mg/g以下)

塩化ビニル

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(試料:1μg/g以下)

フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)

 (※)

0.1%以下

溶出
試験

1ppm以下

ヘプタン 25℃×1時間

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

150μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

30μg/ml以下

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

※ 油脂又は脂肪性食品を含有する食品に接触するものに限る。但し、フタル酸ビス(2-エチルヘキシル)が溶出又は浸出して食品に混和するおそれがないように加工されている場合にあっては、この限りではない。フタル酸ビス(2-エチルヘシル)を含有するポリ塩化ビニル製手袋は食品への使用を避けること。

(4) ポリエチレン及びポリプロピレンを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

150μg/ml以下

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

30μg/ml以下

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(5) ポリスチレンを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質
試験

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

揮発性物質 (スチレン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、プロピルベンゼン)

スチレン、トルエン、エチルベンゼン、イソプロピルベンゼン、プロピルベンゼンの量の合計が5mg/g以下

発泡ポリスチレン(熱湯を用いるものに限る)にあっては各成分の濃度の合計が2mg/g以下、かつ、スチレン、エチルベンゼンがそれぞれ1mg/g以下

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

240μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

30μg/ml以下

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(6) ポリ塩化ビニリデンを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質
試験

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

バリウム

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:1μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

塩化ビニリデン

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(試料:6μg/g以下)

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(7) ポリエチレンテレフタレートを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

アンチモン

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(0.05μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

ゲルマニウム

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(0.1μg/ml以下)

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(8) ポリエチレンナフタレート主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

ゲルマニウム

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(0.1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(9) ポリメタクリル酸メチルを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

メタクリル酸メチル

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(15μg/ml以下)

20%エタノール 60℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(10) ポリアミドを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

カプロラクタム

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(15μg/ml以下)

20%エタノール 60℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(11) ポリメチルペンテンを主成分とする合

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

120μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

30μg/ml以下

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(12) ポリカーボネートを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質
試験

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

ビスフェノールA (※1)

ビスフェノールA、フェノール及びp-tert-ブチルフェノールの合計が500μg/g以下

ジフェニルカーボネート

500μg/g以下

アミン類 (※2)

トリエチルアミン及びトリブチルアミンの合計が
1μg/g以下

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

ビスフェノールA
(※1)

油脂及び脂肪性食品

ビスフェノールA、フェノール及びp-tert-ブチルフェノールの合計が2.5μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

※1 フェノール及びp-tert-ブチルフェノールを含む
※2 トリエチルアミン及びトリブチルアミンに限る

(13) ポリビニルアルコールを主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(14) ポリ乳酸を主成分とする合成樹脂

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分

総乳酸

標準溶液のピーク面積より大きくてはならない
(30μg/ml以下)

蒸発残留物

油脂及び脂肪性食品

30μg/ml以下

ヘプタン 25℃×1時間

酒類

20%エタノール 60℃×30分

上記以外の食品

pH5超える

水 60℃×30分

水 95℃×30分

pH5以下

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

(15) 上記以外の合成樹脂(合成樹脂一般規格を適用)

項目

規格

溶出条件

使用温度100℃以下

使用温度100℃を超える

使用温度100℃以下

使用温度100℃超える

材質

カドミウム及び鉛

標準溶液の吸光度より大きくてはならない
(試験溶液中:5μg/ml以下、試料:100μg/g以下)

 -

溶出
試験

重金属

比較標準液の呈する色より濃くてはならない
(鉛として1μg/ml以下)

4%酢酸 60℃×30分

4%酢酸 95℃×30分

過マンガン酸カリウム消費量

10μg/ml以下

水 60℃×30分

水 95℃×30分