ドライクリーニング堅ろう度試験(JIS L 0860)(関連規格:ISO 105-D01) 2026/4/1 目的 ドライクリーニング溶剤によって、衣料品から色が抜けて色褪せてしまったり、元の色と全く違う色に変化してしまったり、他の衣料品に色が移らないかどうかを確認する試験です。 試験方法 「JIS L 0860ドライクリーニングに対する染色堅ろう度試験方法」に基づいて試験を実施します。 ラウンダオメータという洗濯試験機を用いて、複合試験片を以下の方法で処理します。その後、すすぎ、乾燥し、試験片の変退色と添付白布への汚染の程度をそれぞれ判定します。複合試験片として用いる添付白布は、他の多くの染色堅ろう度試験と異なり、単一布ではなく多繊交織布(マルチファイバー 交織1号)を用います。 ① 主な試験の種類試験の種類有機溶剤の種類界面活性剤及び水の添加の有無ステンレス鋼球の使用の有無A-1法パークロロエチレン添加する使用するA-2法添加しない使用しないB-1法工業ガソリン5号(石油系溶剤)添加する使用するB-2法添加しない使用しない使用する溶剤の種類等により4つの方法がありますが、一般的なドライクリーニングでは、界面活性剤および水を添加する方法(A-1法、B-1法)が多く用いられます。 ② 試験瓶に複合試験片とステンレス鋼球(条件による)、試験溶液を入れて密閉し、30±2℃、30分間処理します。 (複合試験片) (試験機内部) ③ 処理条件の原液溶剤を用いてすすぎ後、ろ紙等で余分な液を除き、乾燥機で乾燥又は自然乾燥します。④ 変退色と汚染(多繊交織布の最も汚染がきつい部分)を評価します。 試験結果例 試験項目試験結果ドライクリーニング(級)変退色5汚染4-5 評価基準 一般的な評価基準変退色4級以上汚染3級以上こちらからボーケン基準がご覧いただけます。染色堅ろう度の「ドライクリーニング」の項目をご参照ください。 よくあるご質問(FAQ) Q.パークロロエチレンと石油系はどちらの条件が厳しいのでしょうか?A.パークロロエチレンは油汚れなどを落とす高い洗浄能力がありますが、繊維に含まれる染料分子を一緒に抜いてしまうリスクもあります。よって、パークロロエチレンの方が厳しい条件となっています。一方、石油系は溶解力がやさしく、デリケートな素材に適しており、日本のクリーニング業界では主流溶剤になっています。 Q.石油とパークロロエチレンどちらを選択すればよいのでしょうか?A.基本的には絵表示通りの処理方法を選択します。合成繊維等はパークロロエチレン、毛や絹といったデリケート素材、装飾品がついているものは石油系溶剤が向いています。 Q.どのような素材で注意が必要でしょうか。A.ナフトール染料で染色した生地は変退色が悪くなる傾向があります。羊毛・獣毛の濃色染め品の汚染やポリエステルの分散染料の還元洗浄不足による汚染が問題となりやすいです。顔料、特殊プリント品は溶剤に溶解するバインダーが使用されていると、変色や脱落が生じやすいため、注意が必要です。 関連ページ ドライクリーニング法(JIS L 1931-2及び3)ドライクリーニング法(JIS L 1096 J法)判定(JIS L 0801)(関連規格:ISO 105-A01)取扱い表示記号の選び方【基本ルール】クリーニング処理取扱い表示記号の選び方【基本ルール】装飾付属別表示記号取扱い表示記号の選び方【基本ルール】加工、素材別表示記号No454_より良いモノづくりのために 染色・プリントの事故事例 -色なき- お問い合わせ 繊維事業本部 お問い合わせはこちら