今回は六価クロムのお話をさせていただく前に、クロム(Cr)についてお話させていただきます。 クロムとは、元素記号Crで表わされる金属で、用途として鋼の耐食性を高める目的で鉄との合金として用いられる他、顔料やクロムなめし剤等としても用いられております。1)。
では、六価クロムとは一体なんなのでしょうか?
六価クロムとは、難しく言うとクロム化合物のうちクロムの酸化状態が+6の物(Cr6+と表記)を指します。元素としては前述のクロムと同じもので、ほんの少し形態の違う物を六価クロムと呼ぶと理解して頂ければと思います。しかしながら、六価であることで非常に強い毒性を持つことが知られており、その為に特に六価クロム(基準によってはクロム)として様々な規制の対象となっています。以下、六価クロムの毒性等について考えてみましょう。