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においの分析(臭気試験)

目的

製品から臭気が発生した場合には、消費者や取引先にとってはクレーム品となり、製造者は臭気の原因究明を求められることがあります。このような場合には、原因究明を目的に臭気試験が実施されています。臭気試験は「官能試験」と「分析装置を用いた方法」の2つに大別されます。

試験方法

官能試験:ヒトの感覚(嗅覚)を用いた方法

ヒトの嗅覚は一般に分析装置より感度が良いと言われています。何のにおいかを特定することまでは難しいですが、分析装置が検出できないような微量なにおいを感じることができます。このように、高感度に「におい」を感知できるヒトの嗅覚を用いて、においの質(快・不快)や強さを調べるのが官能試験です。

分析装置を用いた方法

においの分析ではガスクロマトグラフ質量分析計(以下、GC-MS:Gas Chromatograph Mass Spectrometry)が最も多く用いられています。GC-MSは少量の試料でも高感度に分析できる、ライブラリが充実しており定性力に長けている、検量線を引くことにより定量も可能、などといった特徴があります。GC-MSを用いた、においの分析方法としては「固相マイクロ抽出法(以下、SPME:Solid Phase Micro Extraction)」などが挙げられます。

SPMEは図1の赤枠内のような器具を用い、器具の先端に装着されているファイバーに目的成分を吸着させます。吸着にあたっては図1のように固体試料を加熱して揮発性成分をヘッドスペースに追い出す方法が一般的です。ファイバーに目的成分を吸着後、注入口の高温部分にファイバーをさらし目的成分を脱離させ、GC-MSに導入して分析します。

図1:固相マイクロ抽出法(SPME)

SPMEを用いた分析事例

消費者よりリピート購入しているウェットシートから、今回はいつもと違うにおいがするとクレームがありました。そこで、正常品とクレーム品について、SPMEを用いてGC-MSで分析したところ、クレーム品から「tert-ブチルフェノール」が顕著に検出されました(図2参照)。「tert-ブチルフェノール」は香料・界面活性剤の原料としての用途があり、製造工程で使用していると情報があったことから、クレーム品は製造時に混入した可能性が考えられます。

図2:正常品と事故品のクロマトグラフ比較

お問い合わせ

ボーケンでは、におい分析についての試験受付を行っております。
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大阪認証・分析センター (TEL 06-6577-0031)