引出しの急速開閉試験(JIS S 1200) 2026/8/18 目的 引出しは、日常的に開閉動作が繰り返されることによってレール機構部に継続的に負荷が掛かります。さらに実使用においては、必ずしも丁寧に開閉されるとは限らず、勢いよく引き出したり、強い力で閉めたりすることがあります。このような急速な開閉動作では、通常の開閉よりも大きな慣性力や衝撃が発生し、レール機構の変形や破損、引っ掛かりやガタつき、引出し前板や側板の割れ等の不具合につながる可能性があります。「JIS S 1200 7.5.4 引出しの急速開閉試験」は、こうした状況を想定し、急速な開閉動作に対して引出しが安全に機能するかを確認する試験です。本記事では、JIS S 1200の中で引出し本体の急速開閉に対する評価に焦点を当てて紹介します。 試験方法 引出しの急速開閉試験では、引出しを規定の条件で急速に開閉させると、引出しがストローク端で強く当たり、レール部や接合部に瞬間的な負荷が加わります。このような負荷に対し、引出し機構が破損しないこと、また開閉機能を維持できることを確認します。まず、試験体を水平な床に設置し、床上で移動しないよう前脚をストッパに当てます。引出しの取っ手と急速開閉試験機を連結し、引出しを閉める場合は引出しの内のり(奥行)寸法の3分の1、又は少なくとも100mmが家具の中に残る箇所まで引き出した位置から急速に閉めます。同様に引出しを引き出す場合は、完全に開いた位置に達する300mm手前まで閉めるか、300mm未満であれば完全に閉めた位置から急速に引き出します。(引出しに落下防止のためのストッパがない場合は、急速に閉める試験のみ行います)この一連の閉め/明けを規定の速度で10回繰り返します。なお、規定の速度については、軽い引出しは重い引出しよりも必ず速い速度で急速開閉される状況を再現するために35㎏と5kgの規定速度に調整します。 試験区分 レベル1レベル2レベル3次のステップ増分引出し急速開閉試験(補正引出し速度 m/s)(5kg)1.11.31.40.1(35㎏) 0.81.01.10.1 判定目安 各部に破損、緩み、機能に影響する変形等の異常がないことを確認します。 活用事例 ボーケンでは、引出しの急速開閉試験は、次のような収納家具で多数ご活用いただいています。 戸棚(引出し付き収納ユニット)飾り棚(引出し付き)本棚(引出し付き)チェスト収納キャビネット 引出しは使用頻度が高い部位であるため、強度と耐久性を評価することで、製品の信頼性向上や事故リスク低減につながります。 関連記事 引出しの強度・耐久性試験(JIS S 1200 7.5 引出し) – 引出し本体の強度・耐久性試験のご紹介 –引出しの底板の外れ試験(JIS S 1200) – 引出しを強く引いた際に底板が外れるリスクの評価-棚板のたわみ試験(JIS S 1200) – 収納家具 棚板のたわみ試験の試験方法・評価基準について – お問合せ 東京生活用品試験センター〒135-0001 東京都江東区毛利1丁目12番1号TEL:03-5669-1382 大阪生活用品試験センター〒552-0021 大阪市港区築港1丁目6番24号TEL:06-6577-0124 お問い合わせフォームはこちら