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抗かび性(JIS L 1921:繊維)

抗かび加工とは

繊維製品にかびが発生すると、シミとして目立ち、時には繊維を脆化させて破れやすくします。そこで抗(防)かび剤を練り込み加工や後加工で付与することでかびを発生しにくくした素材が販売されています。そういった繊維上のかびの発育を抑制する加工をいいます。

試験方法

「JIS L 1921 繊維製品の抗かび性試験方法及び抗かび効果」には、吸収法及びトランスファー法の2種類の試験方法があり、いずれも酵素反応を用いた発光量を測定することで抗かび活性値として定量的に測定します。
対応国際規格はISO 13629-1「Textiles – Determination of antifungal activity of textile products – Part 1 : Luminescence method」になります。
また、目視にてかびの発育を評価する方法としては、JIS Z 2911 かび抵抗性試験方法 繊維製品の試験があります。
かび抵抗性(JIS Z 2911:繊維製品、プラスチック製品、その他)(ボーケンHP)

対象製品

糸、織編物、不織布、衣類、寝具、雑貨などの繊維製品

吸収法

一般社団法人繊維評価技術協議会の、SEKマーク繊維製品認証基準の抗かび加工マークに採用されている試験方法です。

試験対象かび:クロコウジカビ、アオカビ、クロカビ、白癬菌の4種類からいずれかを選択。

1.試料0.2gをバイアル瓶に入れ、試験胞子液0.2mlを接種します。
2.25℃で42時間培養します。
3.ATP消去試薬0.1ml、生理食塩水4.7mlを加えて細胞外ATPを消去し、その後ATP抽出試薬5mlを加えて細胞内のATPを抽出します。抽出した液0.2mlを分取し、発光試薬0.1mlを加えて撹拌後、発光光度計で発光量を測定します。発光量からATP量を求め、下記の式に従い抗かび活性値を算出します。

抗かび活性値 ={log(標準布・培養後ATP量)- log(標準布・接種直後ATP量)} -{log(加工試料・培養後ATP量)- log(加工試料・接種直後ATP量)}

評価基準

抗かび活性値 ≧ 2.0

SEKマーク

一般社団法人繊維評価技術協議会(略称:繊技協)は繊維製品について、抗かび加工のマーク認証(SEKマーク)を実施しています。

試験対象かび:クロコウジカビ、アオカビ、クロカビ、白癬菌
SEKマーク認証の場合には、使用実態を考慮して2種類以上のかびを選択して試験します。

評価基準

抗かび活性値 ≧ 2.0
(ただし、洗濯回数が少なく、かびが生えやすい製品については抗かび活性値 ≧ 3.0)
※対象製品の分類ごとに、耐久性として、定められた洗濯処理後の試験も必要です。

SEKマーク
SEKの抗かび加工マーク

※実際にマーク表示をする場合には、薬機法や景品表示法(優良誤認等)への抵触を避け、消費者の誤解を招かないようにするために、マークの近傍に「この製品は、病気の治療や予防の効果はありません。」等のいくつかの注意表示が必要です。