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試験方法から探す

紫外線遮蔽率・UPF(JIS L 1925、AS/NZS4399)

1. 紫外線遮蔽率とは?

紫外線をどの程度遮ることができるかを示す値です。紫外線遮蔽率が高いほど、紫外線を遮る効果が高くなります。

紫外線のUV-A、 UV-B、UV-Cってなに?

紫外線は、波長によってUV-A、UV-B、UV-Cの3つに分類されます。それぞれ肌への作用が大きく異なります。中でも地表に届くのはUV-A、UV-Bですが、UV-Bの作用はUV-Aの1,000倍強いと言われ、日焼け(サンバーン)の原因となります。

紫外線の種類と皮膚への影響

紫外線の種類

波長

特徴・皮膚への影響

UV-A

320~400nm

大気圏で殆ど吸収されず地表に届く。肌深部の真皮層にまで到達しメラニン色素の増加による皮膚の黒化作用を伴う。雲・霧・窓ガラスも透過。

UV-B

280~320nm

肌の表皮層に作用し、日焼け(サンバーン)を起こし、色素沈着を促進させる。UV-Aの約1000倍の作用がある。

UV-C

200~280nm

最も有害であるがオゾン層で吸収され、地上にはほとんど到達しない。殺菌光線とも呼ばれる。

2. 紫外線遮蔽機能はどんなアイテム(製品)に付与されているの?

日傘、帽子、衣料品、カーテン、アウトドアグッズ(テント、シェード等)

3. 紫外線遮蔽加工とは?

紫外線散乱剤や紫外線吸収剤などにより紫外線を遮蔽(カット)する加工をいいます。これにより、日焼けだけでなく、肌の老化やシミ、そばかす、皮膚がんなどの原因となる紫外線の肌への作用を抑えることができます。

①紫外線散乱剤

無機物(例:セラミック、金属)の超微粒子を利用し、光を表面で反射・散乱させて紫外線を遮ります。

②紫外線吸収剤

芳香族化合物などを用い、紫外線を吸収して微小な熱エネルギーに変換して放出します。

(サリチル酸系、ベンゾフェノン系、
 ベンゾトリアゾール系、安息香酸系、
 シアノアクリレート系)

4.紫外線遮蔽効果は、どうやって確認しているの?

紫外線遮蔽率の評価方法には、紫外線遮蔽率測定とUPF評価があります。

試験方法

紫外線遮蔽率測定(JIS L 1925)

  • 測定方法
    測定波長領域290~400 nmの紫外線に対する透過率(%)を分光光度計で測定します。

  • 算出方法
    下記の式に従い遮蔽率(%)を算出します。
    遮蔽率(%)=100-透過率(%) (測定波長領域における平均値で算出)

UPF評価
(JIS L 1925、オーストラリア/ニュージーランド規格AS/NZS 4399)

  • 測定方法
    測定波長領域290~400 nmの波長ごとの透過率(%)を分光光度計で測定します。波長ごとの透過率に太陽光の放射照度や皮膚への影響度を加味して、UPF換算値を算出します。
Q. UPFとは?

UPF:Ultraviolet Protection Factor
UPFは紫外線防護係数で、肌に届く紫外線の影響をどれだけ抑えられるかを数値化したものです。地表面に降り注ぐ紫外線波長領域(290 nm〜400 nm)での試料の透過率に,太陽光による皮膚への影響を加味した重み付けをして計算される指数であり、UPF 10は影響度1/10を意味し、UPF 50と記載されていた場合は影響度を1/50にまで抑えられることを意味します。

紫外線の肌に対する影響は波長毎に異なり、地上に達する紫外線の強さも波長毎に異なります。それらの影響を加味するために、各波長の透過率に所定の係数をかけて、UPFを算出します。例えば、遮蔽率平均値が同じ試料でも、人体に影響の大きい波長域(UV-B)の遮蔽率が高い試料の方がUPFは高くなります。

  • 評価基準(AS/NZS 4399)

UPF換算値

UPF格付け

Classification

15~29

15

Minimum

30~49

30

Good

50、50+

50, 50+

Excellent

 ※JIS L 1925ではUPF格付け値を 5刻みで表示
 (UPF適用外、UPF15、UPF20、・・・、UPF50、UPF50+)し、
 評価基準は設定されていません。

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