抗バイオフィルム試験 (ISO4768:Measurement method of anti-biofilm activity on plastic and other non-porous surfaces) 2023/11/30 概要 バイオフィルムは微生物がものの表面に付着する事で形成される多糖類、タンパク質、核酸よりなる構造体です。一般的には台所や浴室の排水溝等にぬめりとして見られます。抗バイオフィルム試験(ISO4768)は製品表面上でのバイオフィルム(ぬめり)の形成抑制(バイオフィルムの出来にくさ)を評価する試験方法です。 対象製品 プラスチック、セラミック、金属、ゴム等の製品(繊維製品、光触媒加工製品は対象外です。) 試験試料について 3×3cmの平板で無加工品と加工品を各3枚(無加工品との比較になりますので、無加工品は基本必須になります。)※湾曲したものや凹凸のあるもの、厚みがありすぎるものは通常の試験条件での試験が実施出来ない場合があります。この場合、試験条件を変更することをご相談させて頂く事がございます。 試験方法 ≪試験概要≫① 3×3cm角かつ平滑な表面状態の試料を4×4cm角のガラス板に張り付けた試験片を準備します。② 試験片を菌液(バイオフィルムを形成する菌種としてStaphylococcus epidermidis ATCC35984を使用)に浸漬した状態で35℃ 48時間培養します。 菌液に浸漬した試験片と培養後の試験片 ③ 固着出来ていない細胞や余分な培養液を除去するため、洗浄操作を行います。④試験片を乾燥後、染色液(クリスタルバイオレット溶液)に浸漬し、形成されたバイオフィルムを染色します。 クリスタルバイオレット溶液で染色されたバイオフィルム ⑤ 余分な染色液を除去するため、洗浄操作を行います。⑥ 試料表面の染色されたバイオフィルムを水溶性の不織布で拭き取り回収し、溶解液中に溶解します。溶液のクリスタルバイオレット量を吸光度として測定します。(波長590nm)⑦ 次式に従って抗バイオフィルム活性値 Anti-biofilm activity R(%)を算出します。R = (1 −Wtreated/Wuntreated)×100Wtreated:加工試料の吸光度の平均値Wuntreated:無加工試料の吸光度の平均値 結果の見方 抗バイオフィルム活性値が高い程、加工品が無加工品に比べてバイオフィルムの形成が抑制されたことを意味します。 お問い合わせ 機能性事業本部大阪機能性試験センターTEL:06-6577-0157(担当:神代、三井) お問い合わせフォームはこちら