抗バイオフィルム試験(ISO 4768)|SIAA性能基準対応
ISO 4768に基づく抗バイオフィルム試験は、製品表面に発生する「バイオフィルム」の形成抑制性能を評価する国際規格試験です。SIAA抗バイオフィルムマーク取得をご検討中の企業様、水回り製品・家電外装・医療機器部材の衛生性能を訴求したい企業様に向けて、試験方法や評価基準などを解説します。
1.バイオフィルムとは?
バイオフィルムとは、微生物が製品や設備の表面に付着・増殖することで形成される、多糖類・タンパク質・核酸などからなる構造体です。一般には、台所や浴室の排水口などに見られる「ぬめり」として認識されています。バイオフィルムは単なる汚れではなく、微生物が自己防御的に形成する構造体であるため、完全な除去が困難であり、衛生管理上の重要課題となります。水回り製品、家電外装、医療機器などでは特に問題になります。
2.抗バイオフィルム試験(ISO 4768)とは
本試験は、プラスチックなどの非多孔質材料表面におけるバイオフィルム形成抑制性能、すなわち「ぬめりの出来にくさ」を評価する国際規格 ISO 4768 に基づく試験方法です。試験片に微生物を接種し、一定期間培養後に形成されたバイオフィルム量を測定し、無加工試料との比較により抗バイオフィルム活性値を算出します。抗バイオフィルム活性値の数値が高いほど、バイオフィルムの形成を抑制できていることを示します。
本試験はSIAA(抗菌製品技術協議会)が定める抗バイオフィルム加工製品の性能基準にも採用されています。
3.試験対象製品例
用途例
- 水回り製品(浴室部材、排水部品など)
- 家電製品の外装部材
- フィルター、タンク、容器部材 など
対応材料例
- プラスチック製品
- セラミック
- 金属(ステンレス等)
- ゴム
- 塗装品 など
※繊維製品および光触媒加工製品は対象外です
4.試験試料について
3cm×3cmの平板試料を、加工品・無加工品でそれぞれ3枚ご提出ください。
無加工品との比較評価となるため、原則として無加工品が必須です。
※湾曲形状、凹凸形状、厚みが大きい製品等は、標準条件で試験できない場合があります。
その際は試験条件変更についてご相談させていただきます。
5.試験方法(ISO 4768)
| ① | 3cm×3cm角の平滑な試験片を4cm×4cm角のガラス板に張り付けます。 |
| ② | 試験片を菌液(Staphylococcus epidermidis ATCC35984を使用)中に浸漬し、35℃で48時間培養します。 |
| ③ | 固着していない細胞や培養液を洗浄除去します。 |
| ④ | 乾燥後、染色液(クリスタルバイオレット溶液)で染色します。 |
| ⑤ | 余分な染色液を洗浄除去します。 |
染色されたバイオフィルム 無加工品 加工品
| ⑥ | 形成されたバイオフィルムを水溶性の不織布で回収し、溶解後の吸光度を測定します。 |
| ⑦ | 次式により抗バイオフィルム活性値(Anti-biofilm activity R(%))を算出します。 |
R =(1 − Wtreated / Wuntreated)×100 R:抗バイオフィルム活性値(%) |
6.SIAA抗バイオフィルム性能基準
- 試験方法:ISO 4768
- 性能基準:抗バイオフィルム活性値 60%以上
- 試験菌株:Staphylococcus epidermidis ATCC35984
※無加工品との比較試験が必要です
※用途に応じた耐水・耐光処理後評価が必要な場合があります
7.抗菌試験との違い
抗菌試験(JIS Z 2801など)は、菌の増殖抑制効果を評価する試験です。一方、抗バイオフィルム試験は、微生物が形成する「バイオフィルム」の形成抑制性能を評価します。
8.よくあるご質問
| Q. | 曲面形状のサンプルでも試験可能ですか。 |
| A. | 原則として平滑な平板試料で試験を実施します。形状によっては条件変更のご相談をさせていただきます。 |
| Q. | SIAAマーク申請に使用できますか。 |
| A. | ボーケンはSIAAの認定試験機関です。ISO 4768に基づく試験結果は、SIAA抗バイオフィルム性能基準(マーク申請)に使用できます。 |
| Q. | 耐久処理後の評価も必要ですか? |
| A. | SIAAマークを申請する場合は必要です。製品用途に応じた耐水処理、および耐光処理を実施します。 |
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10.お問い合わせ・試験依頼について
SIAA抗バイオフィルムマーク申請をご検討の方、
ISO 4768試験をご希望の方はお問い合わせください。
大阪機能性試験センター
TEL:06-6577-0157

