自動車の車内は、一般住宅や事務所などと同様に高気密な「室内」とみなせます。自動車内では、シート、フロアマット、ドア内張、ハンドル、ダッシュボードなどに様々な樹脂部品が使用されており、中にはVOCの放散が懸念される部品もあります。従いまして、自動車室内でもいわゆるシックハウス症候群と同じような症状が引き起こされる可能性があります。このような自動車内装部品の試験片をサンプリングバッグに入れ、一定温度に加温することで、車内と同じような環境をつくり、その中で放散したVOCを測定するという試験です。チャンバー試験と異なり、温度のコントロールのみで、換気もしないのが特徴です。長時間滞在する住宅と異なり、自動車内という環境を想定した条件になっています。