アルミニウム合金製脚立及びはしご(JIS S 1121)
目的
はしごや脚立は、庭木の剪定や本棚の整理、電球の交換など、日常のさまざまな高所作業場面で活躍する便利な道具です。しかし、その一方で、不適切な取り扱いや不注意による転倒・転落事故が多く発生しており、死亡に至る重大な事故も報告されています。こうした事故を防ぐためには、製品の正しい取り扱い方法を事前に確認し、注意して使用することが不可欠です。また、破損や変形、ガタつきなどを確認する事前検査も、安全に使用するための重要なポイントとなります。
はしごや脚立にはさまざまな種類があり、「JIS S 1121 アルミニウム合金製脚立及びはしご」では、形状によって定義されています。
「脚立」とは、
自立する構造で、高所への昇降及び高所作業に使用するもの。専用脚立・兼用脚立・足場台脚立及び三脚脚立があり、調整支柱(伸縮脚)を持つものもある。
「はしご」とは、
自立せず、立てかけて高所への昇降に使用するもの。単はしご及び伸縮形はしごがあり、調整支柱(伸縮脚)を持つものもある。
形状による種類
| 種類 | 記号 | 摘要 | |
| 専用脚立 | A | 天板、支柱、踏ざん、止め具、滑り止め用端具などから構成され、乗ることが可能な天板又は乗ることが可能な最上段踏ざんまでの垂直高さが、2000mm未満のもの | はしごに兼用が不可能なもの |
| 兼用脚立 | B | はしごに兼用が可能なもの | |
| 単はしご | C | 支柱、踏ざん、上端具、滑り止め用端具などから構成されるもの | 長さの調整が不可能なもの |
| 伸縮形はしご | D | 長さの調整が可能なもの | |
| 足場台脚立 | E | 天板4本支柱、踏ざん、止め具、滑り止め用端具などから構成され、天板面までの垂直高さが、1000mm未満で、主に天板に乗って作業に使用するもの | |
| 三脚脚立 | F | 前支柱、後支柱、踏ざん、止め具、スパイクで構成され、乗ることが可能な天板又は乗ることが可能な最上段踏ざんまでの垂直高さが、3000㎜未満で、支柱が3本で主に造園作業に使用するもの | |
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| A:専用脚立 | E:足場台脚立 |
試験概要
強度試験
はしごや脚立には、「JIS S 1121 アルミニウム合金製脚立及びはしご」で“1000形” “1300形”といった種類があり、それぞれ100kg・130kgまで安全に使えるように設計されていることを示しています。これは、脚立に人が乗ったときにかかる重さの目安として設定されているものですが、実際使用するときは、ただ立っているだけではなく、工具を使ったり、体をひねったり、押したり引いたりといった動作が加わります。こうした動きによって、踏ざんや天板、取付部には体重を超える力がかかります。
そのため、JISでは最大使用質量だけでなく、作業中にかかり得る負荷まで考慮した強度試験が求められています。具体的には、100形なら100kg、130形なら130kgを基準としながら、そこに安全率の力を加え壊れないかどうかを確認します。
最大使用質量による種類
| 種類 | 記号 | 最大使用質量 | 摘要 |
| 1000形 | 10 | 100kg | 主に軽作業に用いる |
| 1300形 | 13 | 130kg | 主に業務用に用いる |
脚立の強度試験 JIS S 1121 9.3.1
天板上に幅100mm厚さ約20mmの木製などの当て板を置き、規定の力を静かに加え、1分間以上保持して安定させた後、力を除き、異常の有無を目視及び触感によって調べる。
【規定の力】
1000形:4000N
1300形:5200N
脚立及びはしごの踏ざんの強度試験 JIS S 1121 9.3.7
最長の踏ざんの中央部に幅100mm、厚さ約20mmの木製などの当て板を置き、規定の力を静かに加え、1分間以上保持して安定させた後、力を除き、異常の有無を目視及び触感によって調べる。
【規定の力】
1000形:2200N
1300形:2860N
滑り止め用端具の摩擦係数試験(脚立)JIS S 1121 9.4.1
使用状態にして、最下段踏ざんに近接する箇所を連結棒で固定し、質量20kgの重錘を天板中央からロープなどによりつり下げ、プッシュプルスケールなどを用いて緩やかに引っ張り、滑り始める時の力(F)を3回測定し、この平均値を用いて摩擦係数を算出する。試験はJISに規定されたステンレス鋼板上で行う。
μ=F/(9.8×W)
μ:摩擦係数
F:滑り始めたときの力の平均値
W:本体、重錘、連結棒及び
ロープの総質量
【判定基準】0.3以上
脚立試験の適用範囲について
弊機構では、ステップ・踏み台・ステップチェアなど同様の構造を持つ製品にも同等の試験を実施しています。各製品の使用環境や荷重条件に応じて、脚立試験の評価基準を応用し、安全性と信頼性を総合的に確認することが可能です。製品設計や品質保証の一環として、ぜひご検討ください。
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