抗ウイルス性試験(ISO 21702)|SIAAマーク対応・活性値の見方と試験方法
抗ウイルス性試験とは?
抗ウイルス性試験とは、製品表面に付着したウイルスの感染価(感染能力を有するウイルス量)がどの程度減少するかを評価する試験です。抗菌性試験が細菌の増殖抑制を評価するのに対し、抗ウイルス性試験ではウイルスの感染性の低減効果を評価します。
※抗ウイルス加工は疾病の予防や治療を目的とするものではありません。
ISO 21702とは?
ISO 21702は、プラスチック製品、金属製品、セラミックス製品、樹脂、フィルムなどの抗ウイルス性能を評価するための国際規格です。本試験は、抗ウイルス加工製品の性能確認や、抗菌製品技術協議会(SIAA)が運用するSIAAマーク制度における評価試験としても用いられています。
なお、繊維製品の抗ウイルス性能の評価は、JIS L 1922やISO18184が用いられます。
ISO 21702の対象製品
- プラスチック製品
- 樹脂シート、フィルム
- 建材
- 金属製品
- セラミックス製品 など幅広い製品に適用されます。
試験方法(ISO 21702)
試料表面にウイルス液を接種し、一定時間接触させた後のウイルス感染価を評価します。
試験対象ウイルスと宿主細胞
〇インフルエンザウイルス(H3N2)〔ATCC VR-1679〕 – MDCK細胞(イヌ腎臓由来細胞)
〇ネコカリシウイルス〔ATCC VR-782〕 – CRFK細胞(ネコ腎臓由来細胞)
試験試料
サイズ
5cm×5cm(厚さは1cm以下)
枚数
ウイルス1種の場合:加工品9枚、無加工品12枚
ウイルス2種の場合:加工品18枚、無加工品24枚
※SIAAマーク認証試験を行う場合は枚数が異なります。
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注意点
- 加工品と無加工品(対照試料)をご準備ください。
- 試験面(加工面)が分かるようにしてください。
- 吸水性や凹凸のある試験片の場合には試験ができない場合があります。あらかじめご相談ください。
試験の流れ
- シャーレ内の試験片(5cm×5cm)にウイルス液0.4m lを滴下し、フィルム(4cm×4cm)で覆う
- シャーレを25℃±1℃、90%RH以上で24時間静置し、ウイルスを作用させる。
- 洗い出し液を加え、試料からウイルスを回収する。
- プラーク測定法により、ウイルス回収液中のウイルス感染価を測定する。

- 対照試料と比較し、抗ウイルス活性値を算出する。
抗ウイルス活性値とは?
抗ウイルス活性値は、加工試料においてウイルス感染価がどの程度減少したかを示す指標です。
算出式
抗ウイルス活性値 =
log(24時間後の対照試料の感染価) − log(24時間後の加工試料の感染価)
※logは常用対数(log10)を示します
評価基準
ISO 21702では、評価基準について記載されていません。
一方、SIAAでは本規格を用いた登録基準として、以下の基準を定めています。
評価基準 抗ウイルス活性値 2.0以上
※抗ウイルス活性値2.0とは、対照試料と比較してウイルス感染価が1/100になったことを意味します。
抗ウイルス活性値のイメージ
対照試料:10⁶ → 試験試料:10⁴
ウイルス感染価が1/100に減少 → log 102 = 2.0
従って、抗ウイルス活性値は2.0となります。
抗ウイルス活性値3.0であれば、対照試料と比べウイルス感染価が1/1000であることを意味します。
SIAAマーク試験に対応
ISO 21702は、抗菌製品技術協議会(SIAA)が運用するSIAAマーク制度における評価試験として採用されています。SIAAマークは、抗ウイルス性能・安全性・品質管理基準を満たした製品に表示される認証マークです。ボーケンでは、SIAAマーク登録に必要な抗ウイルス性試験を実施しています。
試験のご依頼について
試験をご依頼の際は、以下の情報をご提示ください。
- 試験対象の製品(例:プラスチック製品、フィルム、金属製品など)
- 加工内容(抗ウイルス加工剤の種類や作用機構など)※開示可能な範囲で可
- 試験ウイルス種
- 耐久性処理(耐水性試験・耐光性試験)の有無と区分
- SIAAマークの取得希望の有無
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※費用や納期は試験方法および数量により異なります。
細菌とウイルスの違い
細菌は単独で分裂増殖する微生物です。
一方、ウイルスは宿主細胞に感染し、その細胞の機能を利用して増殖します。(下記イメージ図参照)
この違いにより、抗菌性試験と抗ウイルス性試験では下記表の通り、評価方法が異なります。
| 項目 | 抗菌加工 | 抗ウイルス加工 |
| 対象 | 細菌 | ウイルス |
| 試験規格 | JIS Z 2801 | ISO 21702 |
| 評価内容 | 細菌の増殖抑制 | ウイルスの感染価の減少 |
| 検出方法 | 寒天平板培養法(コロニー法) | プラーク測定法 |
FAQ(よくあるご質問)
| Q. | ISO 21702とJIS Z 2801の違いは? |
| A. | ISO 21702は抗ウイルス試験方法を定めた国際規格、JIS Z 2801は抗菌試験方法を定めた日本産業規格であり、評価指標が異なります。抗菌試験は細菌の増殖抑制を評価するのに対し、抗ウイルス試験はウイルスの感染性(感染価)の低減効果を評価します。なお、抗菌効果が確認されている製品であっても、必ずしも抗ウイルス効果を有するとは限らず、それぞれ別の評価が必要です。 |
| Q. | 抗ウイルス活性値とは何ですか? |
| A. | 対照試料と比較して、加工試料上のウイルス感染価がどの程度減少したかを対数(log)で示した値です。 数値が大きいほど抗ウイルス効果が高いことを示します。 |
| Q. | 抗ウイルス性能の基準値はありますか? |
| A. | ISO 21702には基準値や目安値の記載はありません。 SIAAマークの登録基準では、抗ウイルス活性値が2.0以上であることが求められています。 |
| Q. | 抗ウイルス性試験にはどのような種類がありますか? |
| A. | 抗ウイルス性試験は、製品の種類や評価対象によって適用する試験方法が異なります。代表的な試験方法として、プラスチック製品やフィルム、金属製品などにはISO 21702、繊維製品にはJIS L 1922やISO 18184、抗ウイルス加工剤にはSIAAが定める抗技協法、ISO 21702の適用が難しい製品にはシェーク法などが用いられます。製品に適した試験方法については、お気軽にご相談ください。 |
| Q. | 抗ウイルス性のSIAAマークを取得するにはどうすればいいですか? |
| A. | SIAAマークの取得には、性能試験を実施した後、試験報告書、製品仕様書、品質管理に関する資料などを添えて、SIAAが定める手続きに従い申請します。ボーケンでは、SIAAマーク取得のための性能試験を実施しています。その他、申請に係るご相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。 |
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お問い合わせ
大阪機能性試験センター:06-6577-0157
