除菌試験(JIS S 3303、洗剤・石けんの除菌活性試験方法)
ボーケンでは、第三者試験機関として、ウエットワイパー類、洗剤・石けんなどの除菌性能(除菌活性)を客観的に評価する試験を実施しています。JIS S 3303をはじめとする規格や業界基準に基づき、製品開発、品質管理、性能表示の根拠として活用可能な試験データを提供します。
1.除菌とは?
除菌とは、対象物から増殖可能な細菌を有効数減少させることをいいます。ボーケンでは、ウエットティシュ等、液体製品、スプレーを対象とし、製品の作用により対象表面上の細菌数が減少する除菌活性効果を評価します。 なお、除菌の対象は細菌に限定されており、かび・酵母などの真菌類およびウイルス等は対象外です。
2.除菌試験の規格・試験方法
除菌試験は、下記のJIS規格、および業界団体基準等に基づいて実施されます。製品がウエットワイパーであればJIS S 3303、洗剤類であれば洗剤・石けん公正取引協議会基準が適用されます。製品形態によって試験方法は明確に区別されます。
製品の用途や形態に応じて、適切な試験方法を選定することが重要です。
① JIS S 3303「ウエットワイパー類の除菌性能試験方法及び除菌効果」
② 洗剤・石けん公正取引協議会の定める除菌活性試験方法
以下に、各除菌試験の規格および試験条件の概要を表にまとめました。
製品の種類や用途に応じて、適切な試験方法を選定する際の参考としてご利用ください。
JIS S 3303 除菌試験(ウエットワイパー類)
| 項目 | 内容 |
| 試験規格 | JIS S 3303 |
| 対象製品 | ウエットティッシュ、紙おしぼり、ウエットワイパー類 |
| 試験体 | ステンレス板 |
| 試験方法概要 | ステンレス板に試験菌を塗布・乾燥後、 ウエットワイパー試料で拭き取り、5分間静置後の残存生菌数を測定する。 |
| 対象菌種 | 黄色ブドウ球菌、大腸菌 |
| 判定基準 | 除菌活性値 2.0以上 ※算出方法は下記参照 |
洗剤・石けん公正取引協議会 除菌活性試験
| 項目 | 住宅用洗剤 | 台所用洗剤(スポンジ) |
| 試験名称 | 住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法 | スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法 |
| 対象製品 | 住宅用・家具用洗剤、浴室用・トイレ用などの液体洗剤 | 台所用洗剤および石けん、食器用などの液体洗剤 |
| 試験体 | ステンレス板 | スポンジ |
| 試験方法概要 | ステンレス板に試験菌を塗布・乾燥後、試験試料を塗布し、5分間静置後の生菌数を測定する。 | スポンジに試験菌を接種した後、試験試料をなじませ、18時間静置後の生菌数を測定する。 |
| 対象菌種 | 黄色ブドウ球菌、大腸菌 | 同左 |
| 判定基準 | 除菌活性値 2.0以上 ※算出方法は下記参照 | 除菌活性値 2.0以上 ※算出方法は下記参照 |
3.JIS S 3303
ウエットワイパー類の除菌性能試験方法及び除菌効果
JIS S 3303は、ウエットワイパー類の除菌性能試験方法及び除菌効果を定めた日本産業規格(JIS)です。本規格は、一般社団法人日本衛生材料工業連合会(日衛連)の自主基準を基礎として制定されました。
対象製品
・ウエットティッシュ
・紙おしぼり
・フローリング用ウエットワイパー など
※医薬品、医薬部外品、化粧品、医療機器は対象外
試験方法
① ステンレス板に試験菌を塗布し乾燥させる。
②ウエットワイパー試料で拭き取り後、5分間静置する。
③ステンレス板上の残存菌を回収後、その菌数を測定して除菌活性値を算出する
対象菌種
・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
・大腸菌(Escherichia coli)
除菌活性値の算出式
除菌活性値 = 対照試料の生菌数の常用対数値 − 試験試料の生菌数の常用対数値
評価基準
除菌活性値 2.0以上
| ※ | 除菌活性値2.0とは、生菌数を100分の1(1/100)以下に減少させたことを意味します。 |
| 例: | 対照試料:10⁶個(100万個) 試験試料:10⁴個(1万個)以下 → 2 log減少(除菌活性値2.0) |
※ 日衛連におけるウエットワイパー類の自主基準とJIS S 3303の位置付け
ウエットワイパー類に関しては、従来、日衛連により自主基準が運用されてきましたが、現在は当該自主基準を基礎としてJIS S 3303が制定され、標準的な評価規格として位置付けられています。マーク制度や業界の取り組みに関する最新情報については、一般社団法人日本衛生材料工業連合会の公式ホームページをご確認ください。
4.洗剤・石けん公正取引協議会の定める除菌活性試験方法
1) 住宅用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
対象製品
住宅用・家具用洗剤、浴室用・トイレ用などの液体洗剤
試験概要
① ステンレス板に試験菌を塗布し、乾燥させる。
② 試料を塗布し、25℃で5分間静置する。
③ ステンレス板上の残存菌を回収後、その菌数を測定して除菌活性値を算出する。
対象菌
・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
・大腸菌(Escherichia coli)
評価基準
除菌活性値2.0以上
2) スポンジに対する台所用合成洗剤及び石けんの除菌活性試験方法
対象製品
台所用洗剤および石けん、食器用などの液体洗剤
※スポンジを用いた除菌性能評価
試験概要
① スポンジに菌液を接種する。
② ガラス棒等でつついて菌液をなじませる。
③ スポンジに試料を接種する。
④ ガラス棒等でつついて泡立てると共に試料と菌液をなじませ、25℃で18時間静置する。
⑤ 残った菌数を測定して除菌活性値を算出する。
対象菌
・黄色ブドウ球菌(Staphylococcus aureus)
・大腸菌(Escherichia coli)
評価基準
除菌活性値2.0以上
5.FAQ(よくある質問)
| Q. | 除菌試験とは何を評価する試験ですか? |
| A. | 製品の作用による細菌数の減少効果(除菌活性)を評価する試験です。 |
| Q. | JIS S 3303とは何ですか? |
| A. | ウエットワイパー類の除菌性能試験方法を定めた日本産業規格です。 |
| Q. | ウイルスやカビで評価できますか? |
| A. | 除菌試験は細菌を対象とした方法です。ウイルスやカビに対する除菌性能は評価できません。 |
| Q. | 除菌と抗菌の違いは何ですか? |
| A. | 除菌は「対象物から細菌の数(生菌数)を有効数減少させること」、抗菌は「製品の表面における細菌の増殖を抑制すること」効果を指します。 |
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