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抗ウイルス性試験(JIS L 1922・ISO 18184)|SEKマーク対応・活性値の見方と試験方法

抗ウイルス性試験とは?

抗ウイルス性試験とは、製品に付着したウイルスの感染価(感染能力を有するウイルス量)がどの程度減少するかを評価する試験です。抗菌性試験が細菌の増殖抑制を評価するのに対し、抗ウイルス性試験ではウイルスの感染性の低減効果を評価します。

※抗ウイルス加工は疾病の予防や治療を目的とするものではありません。

JIS L 1922・ISO 18184とは?

JIS L 1922は、繊維製品の抗ウイルス性を評価するための日本産業規格です。衣料品、寝具、インテリア製品などの幅広い繊維製品を対象としており、抗ウイルス加工製品の性能を定量的に評価するために用いられます。

また、ISO 18184は、同様の評価を行う国際規格であり、JIS L 1922はこれに整合した規格となっています。

なお、JIS L 1922はSEKマーク認証における評価方法として採用されています。

JIS L 1922の対象製品

  • 衣料品
  • 靴下
  • 下着
  • タオル
  • 寝具
  • カーテン
  • インテリア製品
  • 不織布製品
  • 産業資材など           ※吸水性のある幅広い繊維製品に適用できます。

試験方法(JIS L 1922)

繊維製品に付着したウイルスの感染価の減少を評価します。

試験手順

  1. 試料(約0.4g)をバイアル瓶に入れ、ウイルス液0.2mLを接種する。
  2. 25℃で約2時間静置し、ウイルスを作用させる。
  3. 洗い出し液20mLを加え、試料からウイルスを回収する。
  4. 回収液中のウイルス感染価を、プラーク測定法またはTCID50法により測定する。
  5. 対照試料と比較し、抗ウイルス活性値を算出する。

抗ウイルス活性値の算出方法

抗ウイルス活性値 =
 log(対照試料・接種直後の感染価) − log(加工試料・2時間作用後の感染価)

 ※対照試料の感染価の減少が大きい場合(1.0〜2.0)には、以下の式を用います。

抗ウイルス活性値 =
 log(対照試料・作用後の感染価) − log(加工試料・作用後の感染価)

※logは常用対数(log10)を示します。
※対照試料には、一般的にJISに規定された標準布(綿)を使用します。

評価基準

抗ウイルス活性値 2.0以上 3.0未満:効果あり
抗ウイルス活性値 3.0以上:十分な効果あり

※抗ウイルス活性値2.0とは、対照試料と比較してウイルス感染価が1/100になったことを意味します。

抗ウイルス活性値のイメージ

対照試料:10⁶ → 試験試料:10⁴
ウイルス感染価が1/100に抑制 → log 102 = 2 
従って、抗ウイルス活性値は2となります。
抗ウイルス活性値3.0であれば、対照試料と比べウイルス感染価が1/1000であることを意味します。

SEKマーク認証試験に対応

JIS L 1922は繊維評価技術協議会(繊技協)が運用しているSEKマーク認証に用いられる評価方法です。ボーケンでは、SEKマーク制度に対応した抗ウイルス性試験を実施しています。

試験対象ウイルスと宿主細胞

〇インフルエンザウイルス(H3N2)〔ATCC VR-1679〕 – MDCK細胞(イヌ腎臓由来細胞)
〇ネコカリシウイルス〔ATCC VR-782〕 – CRFK細胞(ネコ腎臓由来細胞)

評価基準

評価基準製品区分付記用語
抗ウイルス活性値 ≧ 3.0Excellent effect繊維上の特定のウイルスの数を99.9%減少させます。
抗ウイルス活性値 ≧ 2.0Good effect繊維上の特定のウイルスの数を99%減少させます。

※SEKマークを表示する際には付記用語の記載が必須となっています。

対象マーク

耐久性評価について

SEK抗ウイルス加工マークの取得には、加工の耐久性確認が必要です。未洗濯試料および規定の洗濯処理後の試料の両方について抗ウイルス性試験を実施し、基準を満たす必要があります。

なお、洗濯方法および洗濯回数は製品区分ごとに定められています。

細菌とウイルスの違い

細菌は単独で分裂増殖する微生物です。
一方、ウイルスは宿主細胞に感染し、その細胞の機能を利用して増殖します。(下記イメージ図参照)

この違いにより、抗菌性試験と抗ウイルス性試験では下記表の通り、評価方法が異なります。

項目抗菌加工抗ウイルス加工
対象細菌ウイルス
試験規格JIS L 1902JIS L 1922
評価内容増殖抑制感染価の減少

試験のご依頼について

試験をご依頼の際は、以下の情報をご提示ください。

  • 試験対象の製品(例:衣料品、タオル、不織布など)
  • 加工内容(加工剤の種類や作用機構など)※開示可能な範囲で可
  • 試験ウイルス種
  • 耐久性処理(洗濯処理)の有無と処理条件
  • SEKマークの取得希望の有無


 ▶依頼書はこちら

※費用や納期は試験方法および数量により異なります。

FAQ(よくあるご質問)

Q.抗菌試験と抗ウイルス試験の違いは?
A.試験方法や評価指標が異なります。抗菌試験は細菌の増殖抑制を評価するのに対し、抗ウイルス試験はウイルスの感染性(感染価)の低減効果を評価します。なお、抗菌効果が確認されている製品であっても、必ずしも抗ウイルス効果を有するとは限らず、それぞれ別の評価が必要です。
  
Q.抗ウイルス活性値とは何ですか?
A.対照試料と比較して、加工試料上のウイルス感染価がどの程度減少したかを対数(log)で示した値です。
数値が大きいほど抗ウイルス効果が高いことを示します。
  
Q.ネコカリシウイルスとはどんなウイルスですか?
A.ネコカリシウイルスはノロウイルスの代替ウイルスとして広く用いられているウイルスです。
  
Q.抗ウイルス性試験に必要な試料の量はどのくらいですか?
A.ウイルス種1つにつき、5g以上(一般的な生地の場合でA4サイズ1枚程度)が必要です。
SEKマーク申請の場合は、未洗濯試料と洗濯後試料の両方をご用意いただく必要があります。
  
Q.繊維製品以外でも抗ウイルス試験はできますか?
A.可能です。繊維製品以外の場合は、ISO 21702などの別の規格に基づいて評価します。
  
Q.抗ウイルス性のSEKマークを取得するにはどうすればいいですか?
A.SEKマークの取得には、まず性能試験を実施し、その試験成績書や製品仕様、品質管理体制に関する資料を繊維評価技術協議会へ申請します。ボーケンでは、SEKマーク取得のための性能試験を実施しています。
その他、申請に係るご相談も可能です。お気軽にお問い合わせください。

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お問い合わせ

大阪機能性試験センター:06-6577-0157